検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:37,027 hit

3-8 ページ27

「うん、、。そのカッコ良い部分を知るのは、もうちょっと先でも良いかなって、、、。」

この上、ライブ中の『カッコ良い彼』まで知ってしまったら、キャパオーバーになりそうで。
妙に慌てて制した私を、検索をやめて顔を上げたさやちゃんが見つめる。

「Aさん、正直に答えてくださいね。」
「、、何?」
「昨日、私がAさん達を見つけた時、遠目に見たお二人はすごく自然で良い感じだったんですけど、、、。本当にただのビール仲間なんですか?」
「え?! そうだよ、さっき話したとおり、ただのビール仲間。」

『ビール仲間』を強調する私に、さやちゃんは釈然としない様子だ。

「まあ、今はそうかも知れませんけど、本当にそれだけですか?」
「本当にそれだけ、だけど、、何で?」

「何て言うか、別に何とも思ってなかったら、相手のカッコ良い所も、普通に見てみたいって思うんじゃないかなって。軽い気持ちで動画を見て、感想を伝えたりできそうっていうか、、。」
「ああ、そうかもね、、。」

「それに、Aさんって慎重派っていうか、全くその気がない男の人と2人で飲みに行ったりしなくないですか?
ほら、前に取引先の営業さんから誘われた時だって、、。」

確かに普段の私は、さやちゃんの言う通り、本当にお付き合いの長い取引先や、友人を除いては、男性から誘われて、2人きりで食事に行くことはほぼない。
そういう意味でも、斎藤さんは最初から特別だったんだなと改めて思い返す。

「Aさん、聞いてます?」
「ごめん、、、何だっけ?」

「斎藤さんのこと、ホントに何とも思ってないんですか?」

真剣な顔でもう一度念を押されたら、話してみたくなった。
私のことを心配してくれているこの優しい後輩に、昨夜自覚したばかりの想いのことを。

「ホントに、それだけだと思ってたんだけどね、
、、、どうもそれだけじゃなかったみたいなんだ、、。」
「ほら〜、やっぱり〜。」
言いながら、さやちゃんは姿勢を正して身を乗り出す。

「昨日まではね、ただのビール仲間だって思ってたんだよ。心から。」
「心から?」
「うん。でもさ、昨日、自覚しちゃったんだよね。」
「それは何で?何かあったんですか?」

「う〜ん、、何かっていうよりは、緊張と緩和の結果っていうかさ、、。
素性を知ってることを話したらもう会えないかも。って思ってグルグルしてた後で、
まだビール仲間を続けても良いんだって安心したことに始まって、、」
「うんうん。」

3-9→←3-7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
105人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

星宵(プロフ) - さばさん» はじめまして。嬉しい言葉をありがとうございます。決めていた所まで書くことができたので、ここからは少しゆっくりペースで、お付き合いが始まってからのあれこれを書きたいと思います。引き続きよろしくお願いします。 (2020年7月26日 7時) (レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
さば(プロフ) - はじめまして!いつも更新楽しみにしており、完結してしまうのは少し寂しいです、、、短編のお話楽しみにしてます!! (2020年7月25日 18時) (レス) id: 640aa79d81 (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みもりさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。そろそろ終盤なので、このままの勢いで進めて行きたいと思います。 (2020年7月16日 9時) (レス) id: 9647d822be (このIDを非表示/違反報告)
みもり - 更新ありがとうございます!!!今回も面白かったです!!! (2020年7月15日 21時) (レス) id: 1232f9590f (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みちさん» はじめまして。更新が滞り返信も遅くなってしまい、失礼しました。良かったらまた読んでやってください。 (2020年7月6日 23時) (レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:星宵 | 作成日時:2019年6月11日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。