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土曜の夜
風呂上がりにテレビでも見ようかと
髪を拭きながらソファに座る。
テーブルの上の携帯が着信音を鳴らした。
誰だろう？
画面に目をやった私は
表示された予想外の名前を二度見した後
応答をスライドさせた。
「、、沢入です。」
「斎藤です。こんばんは。」
「こんばんは。」
斎藤さんから電話なんて
昨日のビールに何か不手際でもあったんだろうか？
突然の電話の理由が分からず、不安になる。
「夜分にすみません。今大丈夫ですか？」
「、、。」
「沢入さん？」
「は、はい。」
名前を呼ばれてようやく我に返った私に
明るい声で彼が告げる。
「昨日はありがとうございました。
ビール、友だちとの集まりに持って行ったんだけど、すごく喜んで貰えました。」
「、、そうですか、、。
良かった、、安心しました。」
どうやら不手際はなかったらしい。
小さく息を吐く。
「ほんとに大好評で。
定番と新作、どっちも美味しいって言ってもらえましたよ。」
「そう言っていただけると、本当に嬉しいです。」
この前と同じ。
わざわざお礼を言うために連絡をくれたんだ。
その心遣いがありがたい。
「あと、おまけを入れてくれてたでしょ？
あれ、すっごく嬉しかった。
皆には内緒で僕が飲んじゃいました。」
ちょっとだけ声をひそめて
秘密を告げるように言うから
思わず笑ってしまう。
「ふふ。悪いですね。」
「うん。だから内緒です。」
おまけのビールは彼のために入れたのだから
私も同罪だ。
「それで、今日電話したのは
もし良かったらお礼をさせて貰えないかと思って。僕、いただいてばっかりだし。」
「そんな！お礼だなんてとんでもないです。
元はと言えば私が強引に押し付けたビールを
気に入っていただけて、お買い上げまでいただいて。
それだけで十分です。」
慌てて断る私に彼が続ける。
「いや、そんなこと言わずに。
実は昨日のビールを一緒に飲んだ友達から、
美味しいクラフトビールが飲めるお店を教えて貰ったんですよ。」
「、、クラフトビールのお店ですか？」
「そう。興味あるでしょう？」
「、、、興味は、あります。」
「僕も興味あるんで一緒に行きませんか？
料理もすごく美味しいらしいんですよ、って、
なんか前と同じじゃないですか？
このやり取り。」
「、、確かに。」
「じゃあ、答えは１つですよね」
「ええ？！ えっと、じゃあ、喜んで、、。」
「良かった！」
良かった、と嬉しそうに言う声に
心臓がぎゅっとなった。
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星宵(プロフ) - さばさん» はじめまして。嬉しい言葉をありがとうございます。決めていた所まで書くことができたので、ここからは少しゆっくりペースで、お付き合いが始まってからのあれこれを書きたいと思います。引き続きよろしくお願いします。 (2020年7月26日 7時) (
レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
さば(プロフ) - はじめまして！いつも更新楽しみにしており、完結してしまうのは少し寂しいです、、、短編のお話楽しみにしてます！！ (2020年7月25日 18時) (レス) id: 640aa79d81 (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みもりさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。そろそろ終盤なので、このままの勢いで進めて行きたいと思います。 (2020年7月16日 9時) (レス) id: 9647d822be (このIDを非表示/違反報告)
みもり - 更新ありがとうございます！！！今回も面白かったです！！！ (2020年7月15日 21時) (レス) id: 1232f9590f (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みちさん» はじめまして。更新が滞り返信も遅くなってしまい、失礼しました。良かったらまた読んでやってください。 (2020年7月6日 23時) (レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星宵 | 作成日時：2019年6月11日 22時
