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金曜20:00の新大阪駅。
混雑気味の新幹線のホームには、
出張帰りや単身赴任の会社員達が、
少し疲れた様子で列を作る
お決まりの光景。
私もご多分にもれず、
出張用の荷物に加え、
取引先からいただいたお土産を提げて、
先頭車両を目指す。
16号車の乗車位置にたどり着き、
ふと左に目をやると、
乗車位置から少し離れた柱の側に、
ぽつんと佇む人がいた。
華奢な身体に大きなリュックを背負い、
うつむき気味に携帯電話を見つめる
長い前髪、
丸いフォルムのショートヘア。
小さな顔は、マスクに隠れて殆ど見えないが、
携帯電話を操作する手の白さと
脚の細さからして女の子だろう。
そこで待ってても新幹線には乗れないんだけど、解ってるかな？
最近は外国人の観光客も多い。
もしかしたら、
乗車位置がよく解ってないのかも知れない。
、、、教えてあげた方が良いんだろうか、、？
何となく気がかりで、
ついつい目をやってしまう。
ふと彼女が目を上げてこちらを見た。
乗車位置はこっちだよ。
心の中で告げる私の方に目をやり、
少し首を傾げる。
そのまま数秒。
、、と、おもむろに、
まっすぐこちらに向かって歩き出す。
こちらというより、
むしろ、私に向かって、、、？
心の声が届いたはずはないと解ってはいるけど、
あまりのタイミングの良さに少し焦る。
「落ちましたよ。」
、、、！！
女の子じゃない、男の人だ、、。
「え？」
「それ、、、ストール。」
予想外の事実と、
静かだけどよく通る声に気を取られて、
言葉の意味を理解するのに時間がかかる。
彼の視線の先、私の左腕に目をやると、
お土産の重みで気づかなかったが、
いつのまにか腕に掛けたストールが地面に滑り落ちていた。
「ああ、ほんとだ！
ありがとうございます。」
「、、いえ。」
慌ててストールを引き上げて礼を言う私に、
軽く会釈して、彼は列の後ろへと去っていく。
なんだ、、、乗車位置は解ってたんだ、、。
見送りながら、ぼんやり思った。
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星宵(プロフ) - さばさん» はじめまして。嬉しい言葉をありがとうございます。決めていた所まで書くことができたので、ここからは少しゆっくりペースで、お付き合いが始まってからのあれこれを書きたいと思います。引き続きよろしくお願いします。 (2020年7月26日 7時) (
レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
さば(プロフ) - はじめまして！いつも更新楽しみにしており、完結してしまうのは少し寂しいです、、、短編のお話楽しみにしてます！！ (2020年7月25日 18時) (レス) id: 640aa79d81 (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みもりさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。そろそろ終盤なので、このままの勢いで進めて行きたいと思います。 (2020年7月16日 9時) (レス) id: 9647d822be (このIDを非表示/違反報告)
みもり - 更新ありがとうございます！！！今回も面白かったです！！！ (2020年7月15日 21時) (レス) id: 1232f9590f (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みちさん» はじめまして。更新が滞り返信も遅くなってしまい、失礼しました。良かったらまた読んでやってください。 (2020年7月6日 23時) (レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星宵 | 作成日時：2019年6月11日 22時
