佐木くんの恋人 (ページ6)

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なんでぼくがこんな目にページ6

金田一先輩に呼び出されたから、なにかと思って後をついて行ったけど、

佐「…先輩、ぼく戻ってもいいですか？」

金「ダメだよ！ほら、早くあれ撮れ」

そう言ってぼくのカメラを向けるのは、部活ちゅうの女の子、のひらひらと動くスカート。

佐「はぁ…はい」

撮らないとうるさいから嫌々ながら先輩が指さすほうにカメラを向ける。
こんなところこはるちゃんに見られたら大変だ。
さっさと撮ってこの場から離れたい。

金「おおおっ、いいねいいね、おい佐木、ちゃんと撮ってるか？」

佐「はい…ちゃんと撮ってま、」

『なにしてるの？』

その声にぞっとした。
カメラなんかそっちのけで驚いて声のした方を最速で振り向くとそこには、やっぱり…。

佐「っ、こはるちゃんっ」

金「あ！バカ、佐木ちゃんと撮れ！」

先輩はこはるちゃんなんかお構いなしにぼくにカメラを向けるように促す。
けど、そんなの言うこと聞けるわけない。

『なにしてるの？』

首を傾げながらもう一度ぼくに尋ねるこはるちゃんに、ぼくは慌てて、

佐「えっ、あっ、いやっ、こ、これは、なんでもなくて」

金「佐木！今いいところ！ほら！あー、なにしてんだよー」

佐「ちょ、ちょっと、先輩！」

金「あ？おう、こはるなにしてんだ？」

そんなおとぼけな先輩なんか無視で、
恐る恐るこはるちゃんの顔を見ると、すごい険しい顔をしている。こんな顔見たことない。

ほんとに最悪だ。ここまで先輩を呪ったことはない。

『…最低っ』

ぼくたちがしていたことに感ずいたこはるちゃんは心が折れる台詞を残してすたすたとその場から去っていってしまった。

佐「あっ、こはるちゃ…ん、」

走り去る後ろ姿に叫んだ名前は無常にも宙を舞ってひらひらとぼくの足元へと落ちてきた。

こはるちゃんに勘違いされた。ぼくがこんな趣味があるなんて思ったに違いない。
それもこれも全部、

佐「先輩！どうしてくれるんですか！！こはるちゃんに勘違いされたじゃないですか！絶対変態だと思われてますよ！もーーー」

先輩に詰め寄るけど、それをするりすり抜けた先輩は、

金「ごめんごめん佐木。ちゃんとこはるに謝れよ？じゃ」

じゃって手を上げてそそくさと逃げていった。

佐「あーもー最悪だ…」

全部先輩のせいなのに。
なんでぼくがこんな目に。