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ただ、それだけ ページ1

ぼくは、この不動高校に通う高校一年生。
佐木竜二です。

ただいま恋真っ最中。

その相手は、

『佐木くん、行こ?』

帰りの支度を整えていると、ほわわんとぼくに抜群の笑顔で話掛けてきたこの子。

同じクラスの、田中こはるちゃんだ。

学年で1位2位競うほどの可愛さ。頭もぼくなんかより全然よくて、この間の期末テストでなんと学年1位を取るほどだ。

ため息が出る可愛さ。
その可愛さでぼくのハートを一瞬にして連れ去って行ったのだ。

佐「あ、はい!行きましょう」

ガタンと椅子から立ち上がってカバンを肩に掛けて、こはるちゃんを見ると、これまた抜群に可愛い笑顔をぼくだけに向けた。

こんな弱虫で雑魚キャラなぼくがどうしてこんな可愛い子と話が出来るのかというと、

こんなに可愛くて頭のいいこはるちゃんはぼくと同じで、何故かミステリー研究部に入部。

なんでかはわからないけど、ミステリー研究部に入部している。

なんでかはわからないけど。

どうしてかは気になるところだけど、今はどうでもいい。
こはるちゃんと接点があって、一緒に部室にだって行ける。
ミステリー研究部に所属しているほくだけの特権だ。

心惹かれる子の横を陣取って悠々と廊下を歩けば横を通りすぎる生徒たちがこはるちゃんの可愛さにみんなが振りかえる。

そんなことを一切気にせず、今日あった出来事や話をぼくだけにしてくれているこはるちゃん。

あぁ、ずっとぼくだけに笑顔を向けてほしいな、ぼくだけのものにしたいな、なんてこんなぼくには口が裂けても言えない。


こんなぼくが、こんなに可愛いこはるちゃんを独り占め出来ることなんてこの時間だけなんだから。

だから、この共通の時間だけぼくだけを見ててほしい。

ただ、それだけなんだ。

見せ場だ→



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りおりお - 面白いです!続きが楽しみです! (2015年12月20日 22時) (レス) id: 2e8047e514 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ずーたろ | 作成日時:2015年11月15日 18時

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