so so so so so so special (ページ15)

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pink side

過去編

昔、父は幼かった俺を偉そうな大人が集まる場所に連れて行った。

「純血様」

気色の悪い笑みを貼り付けた顔で父に近づいてくる人たち。

父に恭しく挨拶をして、チラッと俺を見る。

その目は怯えているのか、ハタマタ、見下してんのか。

どっちでも俺には関係ないが、気色悪いことには変わりがない。

「おぉ！彼が純血様の御子息！」

あたかも今気付きました！みたいな態度を取られ
尚更、嫌悪感が増す。

適当に聞き流していると、会場の隅に同じくらいの歳の女の子がいた。

父の目を盗んでその子に近づく。

『ねぇ、おはなししよーよ。』

女の子は嬉しそうに俺を見て、

「うんっ！」と、言う。

初めて同じくらいの歳の子と話す。

しかし、現実はそうはいかなかった。

その子の母と思われる女の人が血相を変えてこっちに向かってくる。

女の子も嬉しそうに「まま」なんて呼んじゃって。

彼女は逃げるように女の子を連れて離れて行った。

すれ違い様に女の人の口が動く。

「このバケモノ……」

初めての言葉としての与えられた拒絶。

衝撃と哀しみで、その場から逃げようとすると

すぐ後ろに父が立っていた。

そして、

「お前は、純血の吸血鬼だ。

人間は餌だ。

お前は、"特別だ"。

他の奴らとは血が違うんだよ。」

僅か齢5歳にして、俺は心が壊れてしまったのかもしれない。

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