Story 327 ページ10
「どーしたよ?最近変だぜ?」
「……陣平兄……。あたし……」
後ろに視線を向けつつ陣平兄に抱きつく。と、彼はすぐに気づいたのか、あたしを抱きしめ返した。
それに腹を立てたらしい輩がドヤドヤと出て来る。
「おいコラ天パ!俺達のAちゃんに抱きついてんじゃねーよ!」
「Aちゃんは僕達の天使なんだ!」
「Aちゃん離れて!こっちへ!」
hshsと鼻息を荒くするその男達は、『I ♡A』と書かれているTシャツとハチマキをつけていた。なるほど、あたしのファンか。
「……あたしアイドルじゃないんですけど」
「Aちゃんを怪しい輩から守るために僕達がいるんだ!」
「遠慮しときます。それに、あなた達の方が怪しい輩です」
そう言うと、3人は怒り狂ったようにあたしに向かって来た。
「うわぁぁ#☆%€○*#°4[→:35々!」
だが、男達はあたしに近づく前に陣平兄によって成敗された。
「Aに近づくなんざ100万年早ぇ」
「さすが現役警察官」
あたしが冗談交じりに拍手を送ると、陣平兄はあたしの方を真面目に見た。
「……アイツらに追いかけられてた感じか?」
「正解。ストーカーかと思ってたけど……」
「ファンができるなんてアイドル並みじゃねぇか」
「やだよ、何かオタクみたい」
「マスターオタク」
「うーわー……」
あたしがげんなりとした顔をすると、陣平兄は苦笑いした。
「しばらく俺が付き添ってやろうか」
そう言われ、あたしはぎょっとした。
「付き添うって……」
「遅くなる時に迎え行ってやる。まぁボディーガードみてーなモンだな」
「いいよ悪いし……」
「でもさっきみてーな奴らが来たら危ねぇだろ?こういう時くらい甘えてろ」
「……ありがとう。でも零兄には言わないで。絶対公安の人が付くから」
「本当嫌なんだな」
「当たり前」
そう言って笑う。
マンションの前に着くと、陣平兄はタバコを咥えながら言った。
「んじゃ、遅くなる日は連絡くれ」
「分かった。ごめんね迷惑かけて」
「構わねーよ。んじゃな」
「うん、またね」
そう言って部屋に入るなり、あたしは玄関にしゃがみ込んだ。
あたしは平静を装っていたが、内心怖くてたまらなかった。
家についてホッとして、つい力が抜ける。
「……怖かったぁ」
でも、明日からは安心だ。あたしはふぅと息をついて立ち上がった。
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かすみ(プロフ) - おーにしさん» 楽しみです! (2017年8月19日 9時) (レス) id: 70d4c7b9bf (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - かすみさん» フフフ笑 どうなることやら笑 (2017年8月19日 6時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - ついにAliceの記憶が…!! (2017年8月19日 2時) (レス) id: 70d4c7b9bf (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - りんさん» ふるやん頑張って!……って作者の私が言うことじゃないな笑 (2017年8月19日 0時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続き続き気になる零さーんがんばれー (2017年8月19日 0時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月11日 15時