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Story 324 ページ7

それから、あたしは安室さんが薫さんを呼び捨てにする度にモヤッとするようになった。

でもそれはすぐに消えてしまう。なぜなら、薫さんも安室さんもあたしに優しくしてくれるから。


夜遅くなれば必ずどちらかが「送って行く」と言って聞かないし、たまに2人であたしの取り合いになったりもした。

梓さんや綾乃ちゃんには「愛されてますね♡」なんて言われたけど。

そうやってふざけ合う2人が自然体すぎて、あたしの胸はまたモヤモヤするのだ。


「A……A!」


ハッとする。いけない、接客中だった。


「大丈夫?何か悩み?」

「ううん、平気……」


蘭と園子、世良ちゃんが心配そうにあたしを覗き込んでくる。


「そういえば、新しい人入ったのね」


園子が厨房で安室さんと話す薫さんを見てそう言った。


「ええ……。安室さんの高校の同級生らしいわよ」

「「「同級生!」」」


3人はさっそく興味を惹かれたようだ。


「だからあんなに仲良いのね〜」

「何気に名前呼び捨てだしな」

「薫さん綺麗だもんね」


口々にそう言う3人。

本当にその通りなのだ。

あたしの知らない零兄を知る薫さん。
綺麗な顔立ちとすらっとしたボディ。
かすかな色気と大人の魅力。
それでいて頼りになる姉御肌。

モテる要素てんこ盛りなのだ。


だからなのか、ポアロに来るお客さんにいつもナンパされている。薫さんはその全てをさらりとかわしているけど。


「強力な恋のライバルって奴ね……」

「へっ?」


園子の突拍子もない言葉に、あたしは思わず変な声が出た。


「恋のライバルって……」

「違うの?」

「いや、誰の恋?」

「何言ってんのよ!Aに決まってんでしょーが!」

「はっ、はぁ!?」


いきなり何言い出すんだこの子は!

園子が大声で言ったせいで、店中の視線があたし達に向く。あたしは慌てて「ごめんなさいっ!」と周りに頭を下げた。


「何だ何だ、マスター恋してんのか?」

「相談乗るぜ〜」

「もう!違いますから!」


いつも来てくれるおじさん2人にそう言われ、思わず反論してしまう。


「も〜……。園子のせいで恥かいた……」

「ごめんって……。でも、だったら他に好きな人いるの?」

「いないわよ……。そもそも恋愛の『好き』が何か分からないし」

「もったいない!」


園子は大げさに驚いた。


「まさかとは思うけど……A君、初恋もまだなのか?」

「え、うん」


あたしが頷くと、世良ちゃんと園子は大きくため息をついた。

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かすみ(プロフ) - おーにしさん» 楽しみです! (2017年8月19日 9時) (レス) id: 70d4c7b9bf (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - かすみさん» フフフ笑 どうなることやら笑 (2017年8月19日 6時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - ついにAliceの記憶が…!! (2017年8月19日 2時) (レス) id: 70d4c7b9bf (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - りんさん» ふるやん頑張って!……って作者の私が言うことじゃないな笑 (2017年8月19日 0時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続き続き気になる零さーんがんばれー (2017年8月19日 0時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月11日 15時

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