白うさぎと日常。【名探偵コナン】

Story 330 ページ13

家に帰り、あたしはベッドにダイブした。


「はぁーあ……」


ため息をつく。

同期、か……。


「……やっぱり、仲が良いのはそれもあるからなんだろうなぁ」


ぶっちゃけ、薫さんと零兄はお似合いだ。

まだ17のあたしと違って、薫さんは大人っぽい。そして大人らしく落ち着いた、お姉さんタイプの人だ。

零兄も29というには童顔だけど、中身はやはり大人。

それに、お互い仲も良さそうだし。


「……いいなぁ」


あたしは思わず口に出してしまった。

だって、警察学校から一緒で。
同じ部署に配属されて。
同じ組織に潜入捜査してて。
挙句に同じバイト先で。


それにひきかえあたしは？


零兄が警察学校時代に会っただけ。
仲良くても、頻繁に会ってたわけじゃない。
零兄の手伝いだってできるわけじゃない。
同じ所でバイトしていても、あなたにとっては仕事のための手段なわけで。


零兄が『降谷零』として自然な笑顔で笑えるのはあたし達5人の前だけだって、勝手に思ってた。

他にもいたんだ。『安室透』の作り笑顔を向けない女の人が。

自然に笑えて、自然に話せて。
呼び捨てにするほど仲の良い “女性” が。


「……薫さん、か」


あなたが羨ましい。

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