◆ ページ36
「ごめんね、志保……」
「……まったく……」
志保は怒りながらもコーヒーを一口すすった。
「……でも凄いわね、彼」
「何が？」
「顔よ」
「はっ？」
さすがに素っ頓狂な声が出た。
「安室透と降谷零……。昔はそれにバーボンもあったんだし……よく使い分けてたわよね」
演じているのは1人なのに、まるで体の中に何人もの人格がいるみたい。
志保はそう呟いた。
「……使い分けっていうか……零の中には明確な違いがあったみたいだね」
「違い？」
志保がきょとんとする。あたしはこくりと頷いた。
「食べ物の嗜好で言ったら……」
高級チョコとダージリンティーで生きてるようなカッコつけがバーボン。
子供達にハンバーグやオムライスを作って、それに可愛い旗とかケチャップでお絵かきとかしてあげるのが安室透。
「……降谷零は？」
「降谷零はね……セロリスティックと吉牛で夜食済ませるタイプ」
仕事終わりにビールと枝豆と焼き鳥で一杯やったりとかね。
そう話すと、志保は耐えきれなかったのか思い切り吹き出した。
「……安室透は好青年だし、バーボンもオシャレな感じなのに……。吉牛……セロリスティック……ふふっ」
「変でしょ？」
でもちゃんと違いを作っているから、零はトリプルフェイスをこなせていたのだ。
もちろん、本人の覚悟や決意、器用さのおかげだが。
「……でも、一番はAがいるからじゃないの？」
大笑いしていた志保が笑いを引っ込めて、真面目な顔で言った。
「あたし？」
「だって、守りたい物がなかったらそこまで出来ないわよ、普通」
「……守りたい、かぁ」
そう思われているなら、それは嬉しい。
「母さんただいまー」
「ただいま〜」
「お帰り葵、日向。手洗ってカバン置いたら降りといで、おやつあるよ」
あたしにも守るべき物がある。子供達と、零、大切な友人達。
「志保もあたしが守るよ」
「あら、嬉しいこと言ってくれるのね。工藤君みたい」
「新一はキザだからなぁ……」
零が守るこの日本を、幸せを。
あたしも──
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salomeさんリクエストで「安室・降谷・バーボンで何が違うの？」でした！
ありがとうございましたー！
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おーにし(プロフ) - リクエストは美咲さんで締め切らせていただいております。ご理解のほど宜しくお願いします。 (2018年2月23日 14時) (
レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - みくさん» 申し訳ありません、リクエストは締め切りとなっております……。機会があれば、Twitterにお話を上げると思うので、そちらを確認していただきたいと思います。 (2018年2月23日 14時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 王様ゲームとか…後、皆で海に行く話とか読みたいです！ (2018年2月22日 18時) (レス) id: f3eec86709 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 美咲さん» ifですか！あむあず……。うん、書いてみますね！ありがとうございます！ (2017年12月1日 22時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - 夢主←降谷。夢主があむあず・ふるあず推しだったらというif話をお願いします (2017年12月1日 20時) (レス) id: 818bce94f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おーにし x他1人 | 作成日時：2017年11月9日 19時
