白うさぎのその後。2【名探偵コナン】

◆ ページ11

妊娠6週目に入った。

日に日に酷くなるつわりを見かねてか、零は半ば強制的にあたしを工藤邸に里帰りさせた。


「洗濯くらいならできるのに」


お腹もさほど膨らんでないし、酷いのはつわりだけだ。

唇を尖らせてそう言ってみたものの、「何かあったら俺が困る」と一蹴された。


「いいじゃない、産前産後は実家ってよくあることよ？」

「そうですかね……？」


ベッドで横になりながら、有希子さんとそんな会話を交わす。


「それより、今日は何か食べれそう？少しでも栄養取らないとね」

「あー……はい」


正直、食べ物の匂いを嗅いだだけで気持ち悪くなる。けど……食べないとお腹の子供にも影響が出てしまう。


「ただいま〜」


夕方を過ぎると、新一が帰ってくる。


「具合どうだ？」


部屋に入るなり心配そうに覗き込む新一に、あたしはクスッと笑った。


「……りんご一口食べた……」

「お前……。ちゃんとメシ食えよ」

「だって……匂いだけで吐いちゃうんだもん」


蘭はどう？今度はあたしから問いかけてみる。蘭はあたしより少し早く妊娠が発覚したのだ。


「アイツは大分つわりも治まって来たってよ。Aのこと、ずいぶん心配してたぜ？」

「……はは、悪いことしちゃったね」

「ま、ここはオメーの家でもあるんだし、ゆっくり休めよ」

「ありがと新一。そうするよ」


あたしはニコリと笑ってまた目を閉じた。


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