Story 277 ページ8
「風強いなぁ……」
梓が外を掃いていると、一匹の猫が足元に寄って来た。
「あら、大尉じゃない!」
夕方になるといつも餌をねだりに来る猫だ。
ポアロではマスターであるAと梓に懐いている。
ちなみに大尉という名前はA命名。ポアロの所によく来る奴ってことで、名探偵ポアロの友人・ヘイスティングズ大尉から取ったらしい。
まぁ首輪がついているから、元は誰かの飼い猫だったようだが。
「遅かったわね……。ちょっと待ってて」
梓は店から皿とミルクを持って来て、大尉に餌をあげた。
「はい、お待たせ!……ん?」
梓は大尉の首輪に挟まっていた紙を取った。
「何だろ」
梓が見つけたのはタクシーのレシートだ。所々文字が消えている。
印刷ミス?いや、違う。これは──
「梓さん!綾乃さんが呼んでますよ!」
安室に呼ばれた。
「あ、安室さん……。ちょうどよかった、実は……きゃ!」
梓は例のレシートを見せようとしたのだが、突然風が強く吹き、彼女が手に持っていたレシートは吹き飛ばされてしまった。
「あーあ……」
「何だったんですか?」
「いえ、何でもないです……。すみません」
梓はとりあえず曖昧に笑ってその場を流した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「え?タクシーのレシートが消されていた?」
大尉がご飯を食べ終わり、梓はお皿を下げた。
そして話は先ほどのレシートの話に戻る。
「ええ……。確か『cor』と『P』と『se』って所以外が消えてて、印刷ミスかなーっと思ったんですけど……」
「ホー……」
「それに、大尉の首輪がものすごく冷たくて……何ででしょう?」
梓は首を傾げてそう言った。
「この猫が毎日ここに餌をねだりに来るのを知ってるのは……」安室が梓に訊く。
「割と最近来るようになったから……。知ってるのは私とAさんと安室さんと……後はコナン君くらいですけど……」
「そういえば、Aさんは今日は?」
「ああ……。風邪引いたらしいですよ。38℃も熱があるのに来たから、病院行けって追い出しました」
(さすがA……)
内心苦笑いした安室は、それを聞いた途端に梓にエプロンを手渡した。
「確か、あっちの方に飛ばされましたよね?」
「ええ!? まさか探すんですか?」
「ええまあ。皆さんには体調を崩して早退したと言っておいて下さい!今日のバイト代はいらないから、と」
「は、はぁ……」
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おーにし(プロフ) - かすみさん» ありがとうございます!キュラソー書けるか心配ですが、頑張ります!! (2017年8月11日 10時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - 更新お疲れ様でした!キュラソー楽しみです!頑張ってください! (2017年8月11日 5時) (レス) id: 70d4c7b9bf (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます!夏休みだからこその大量更新です笑 続けられるように頑張ります! (2017年8月8日 23時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 大量更新お疲れ様です僕も頑張らないと!お互いに頑張りましょうね☆ (2017年8月8日 23時) (レス) id: 068774ffb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月6日 23時