Story 318 ページ49
《Aも代わるか?》
電話の向こうでは赤井とAで押し問答が繰り広げられているらしい。
やがて根負けしたのか、Aが電話に出た。
《……もしもし》
「俺の言いたいことは分かるな?」
《うん……》
「あとで説教な」
それだけ言うと、電話越しにAが大きくため息をつくのが聞こえた。そして車の走り去る音。
《ふ、降谷さんどうします?追いますか?》
「我々の正体を知られた以上、これ以上の深追いは危険……。
撤収して下さい。上には僕の方から話しますので」
そう言うと、安室は工藤邸を後にしようとした。が、その前に1つだけ疑問があった。
「どうして僕のような怪しい人間を家に入れたりしたんです?普通入れないでしょ?」
「是が非でも話がしたいと言う顔をしていたのでつい。随分、話好きな宅配業者の方だなぁと思っていましたけど」
「はぁ……そうですか」
来葉峠の帰りの車内。屋根はきちんと閉じられ、車の中は重苦しい空気に包まれていた。
「A……。あなたは未来が見える、それは本当よね?」
ジョディの言葉に、Aは自嘲的な笑みを浮かべた。
「未来が分かるんじゃないんだけどね」
「……そう。まぁそれがどうであれ、あなたは組織を壊滅するのに必要な人材よ。そこで提案なのだけど……
FBIに全面協力する気はない?」
そう問われ、Aは即答した。「嫌よ」
「……なぜ?」
「あたしは日本国民で、あたしを守ってるのは日本警察。自分たちが守っている国民を無理やり他国の警察に取られるなんて、頭にきて当然だもの。しかも相手は休暇来日中の人よ?一層揉めるだけよ」
その言葉に、ジョディはカッとなったのか「先に喧嘩を売ってきたのは日本警察じゃない!」と叫んだ。
対してAは静かに言う。「でもその喧嘩の原因はあなた方です」
「……どういうこと?」
「つまり、彼らは人の畑に入って来て仕事をするなら許可を取れって言ってるの。そうしないと何も協力できないだろって。それは当たり前よね?」
その当たり前をしないあなた達がまず間違ってる。
Aがそう言うと、赤井がフッと鼻で笑った。
「……今回はAに一本取られたな、ジョディ」
「……みたいね。でも何かある時には協力してくれるかしら」
「……できる限りは。でも、あたしは日本警察優先に動くつもりよ」
「構わないわ。ごめんなさいね強く言って」
「分かってくれたならいいの」
Aはそう言って微笑んだ。
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おーにし(プロフ) - かすみさん» ありがとうございます!キュラソー書けるか心配ですが、頑張ります!! (2017年8月11日 10時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - 更新お疲れ様でした!キュラソー楽しみです!頑張ってください! (2017年8月11日 5時) (レス) id: 70d4c7b9bf (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます!夏休みだからこその大量更新です笑 続けられるように頑張ります! (2017年8月8日 23時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 大量更新お疲れ様です僕も頑張らないと!お互いに頑張りましょうね☆ (2017年8月8日 23時) (レス) id: 068774ffb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月6日 23時