Story 314 ページ45
安室にそう問い詰められた沖矢は少しの間だけ黙っていた。
と、彼は耳の後ろに手をかけた。
「君がそれを望むなら……仕方ない……」
後ろから追って来る謎の車数台から逃げていると、前方にも車が数台停まっていた。
「ウソ!? 車でバリケード!?」
キャメルは咄嗟に右にハンドルを切り、道路の端にあった石にタイヤを乗り上げさせ、車はバリケードを突破した。
「さすがねキャメル!」
ジョディは少し冷や汗を浮かべていたが、キャメルのドライブテクを褒め称える。
「……A、大丈夫?」
「ええ……。キャメルさんよく事故起こしませんね」
「まぁ、ドライブテクには自信があるので」
そう話していると、キャメルは怪訝に顔をしかめた。
「しかし何なんですかあいつら……」
「奴らの仲間でしょうね。シュウが生きてると分かったから、私達を拘束してシュウを誘い出す餌にする気なのかも」
ジョディは後ろを向いて焦りの表情を浮かべた。
「──ってことはやっぱり自分が楠田の拳銃自 殺を漏らしたせいで、赤井さんの計画を台無しに……」
「悔やんでる暇はないわよ!今は奴らを振り切ることに集中して!」
ジョディにそう言われたが、キャメルの頭の中は罪悪感でいっぱいだった。
2年前のあの時と同じ。自分はまた赤井の計画を邪魔してしまったのだ。
沖矢は口元を覆っていたマスクを外してみせた。
ゴホゴホと2回ほど咳払いをする。
「少々風邪気味なので、マスクをしてもいいですか?君にうつすといけない」
うまくかわした沖矢に苛立ったのか、安室は声を荒げた。
「そのマスクじゃない。その変装を解けと言っているんだ!赤井秀一!」
そんな彼の言葉にも、沖矢はさらりととぼけた。
「変装?赤井秀一?さっきから一体何の話です?」
沖矢はまたゴホゴホと咳をする。TVは最優秀脚本賞の発表に移っていた。
安室の仲間であろう者達を振り切るため、キャメルは必死に運転していた。だが──
「まずい……。ハンドルが右に右に切られてしまう……」
さっき岩に乗り上げた時にタイヤとホイールがダメージを食らってリムが曲がり、タイヤのエアが漏れているのだ。
このカーチェイスを終わらせるには追っ手の車を走行不能にするしか方法はないが、キャメルは運転中だし、ジョディも助手席から銃を撃つなんてできない。
このままじゃ──追い付かれるのも時間の問題だ。
と、Aがフッと笑った。
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おーにし(プロフ) - かすみさん» ありがとうございます!キュラソー書けるか心配ですが、頑張ります!! (2017年8月11日 10時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - 更新お疲れ様でした!キュラソー楽しみです!頑張ってください! (2017年8月11日 5時) (レス) id: 70d4c7b9bf (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます!夏休みだからこその大量更新です笑 続けられるように頑張ります! (2017年8月8日 23時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 大量更新お疲れ様です僕も頑張らないと!お互いに頑張りましょうね☆ (2017年8月8日 23時) (レス) id: 068774ffb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月6日 23時