Story 308 ページ39
次の日。
ポアロを閉め、裏口から出ると。
パッパァー!
車のクラクションが鳴った。あたしがそちらを振り向くと、白いRX-7が。
「……安室さん?」
今日はシフトが入っていないはずなのに、どうしたのだろう。そう思っていると、助手席の窓が開いた。
「こんばんは、Aさん。もう夜遅いですし、送って行きますよ」
「え、え」
「さ、早く」
安室さんはいつの間にか車から降り、あたしを助手席に押し込んだ。
「……どうかしました?」
「今は降谷零だよ、A」
「……零兄、どうかしたの?何か話?」
「ああ……。やっと分かったよ、赤井秀一が生き延びたトリックが……」
「えっ!?」
あたしはぎょっと目を見張った。
バレた!? バレた感じ!?
「ベルモットにも協力してもらったおかげで、大分早く突き止めれたよ」
「……そう」
そしてあたしは零兄をまっすぐ見た。
「公安の人は連れていくの?」
「一応な。赤井が万が一だんまりを決め込んだ時のためにな」
「そう……」
ということは、ベルモットの変装があって、コナン君達に危険信号が渡ったということだ。
あたしがふぅ、とため息をつくと、零兄があたしを心配そうに見た。
「それよりも、心配なのはお前だよ。A」
「……え?」
あたしが状況を飲み込めずにきょとんとしていると、零兄は説明を加えてくれた。
「FBIは赤井が死んだと思い込んでいる。お前という『預言者』が存在していながらだ。
そして公安に手を差し伸べながら、FBI……赤井には手を貸さなかった。そうすると、なぜお前がそうしなかったのか、突き止めようとしてくる」
そして、バーボンである俺が赤井のことを嗅ぎ回っているおかげで「赤井生存説」がFBIの一部の捜査官に漂う。
そこで、FBIは「預言者」であるAに真相を聞きにくるだろう。
「……つまり、あたしがFBIに捕まる、と?」
「このまま行けばな。少なくとも、俺はそうなると踏んでいる」
「それはないと思うよ……」
そう言いつつも、あたしは原作を思い出していた。
原作だと確か、来葉峠でカーチェイスが起きる。しかもFBI対公安で。
……まさかそれに巻き込まれるなんてないよね?
後日、あたしは見事にこのフラグを回収することになるとは……思ってもみなかった。
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おーにし(プロフ) - かすみさん» ありがとうございます!キュラソー書けるか心配ですが、頑張ります!! (2017年8月11日 10時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - 更新お疲れ様でした!キュラソー楽しみです!頑張ってください! (2017年8月11日 5時) (レス) id: 70d4c7b9bf (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます!夏休みだからこその大量更新です笑 続けられるように頑張ります! (2017年8月8日 23時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 大量更新お疲れ様です僕も頑張らないと!お互いに頑張りましょうね☆ (2017年8月8日 23時) (レス) id: 068774ffb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月6日 23時