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Story 302 ページ33

「おい、どーした?」


いつの間にか後ろにいた毛利先生が僕の肩を叩く。


「流石のお前もこの毒殺事件は解けねぇか?」


毛利先生はからかうようにそう笑った。安室である僕も少し困ったように笑う。


「毛利先生も解けてないんでしょ?だったら僕に解けるわけありませんよ!」


それを聞いた毛利先生は「そりゃそうだよな!」と満足げに笑った。


「よぉ、自称探偵」


不意に声がかかる。が。

見覚えのある天然パーマは無視しよう。←


「……A、無視された」

「ドンマイ陣平兄」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「ティーカップの飲み口?そこに毒が塗ってあったんですか?」


高坂さんがそう言った。

高木刑事の報告によると、被害者の須東さんが口をつけ、ハーブティーと一緒に毒を飲み込むように口紅が付いていた辺りの飲み口に毒が塗られていたらしい。

カップの中のハーブティーからは毒物反応は出なかったらしいし。


「じゃあ私達の中の誰かが、伶菜の飲む直前にカップに毒を塗ったっていうわけ?」

「そんなことをしたら誰かが気づくんじゃないかしら?」

「いませんでしたよ?そんな方……」


別府さん、八方さん、高坂さんが口々にそう言った。

自分のカップに毒を塗ってすり替えたとしても、4人共全然色が違うハーブティーだったため、すり替えてもすぐバレてしまう。

別府さんは黄色のカモミールティー、八方さんは茶色いペパーミントティー、そして高坂さんは青いバタフライピーティー、そして亡くなった須東さんは赤色のハイビスカスティーだ。

被害者は紅茶にレモンを浮かべていたが、見える範囲が狭まったからといって色が違うことに気づかない確率は低い。


「とにかく犯人がカップに毒を塗り、須東さんを殺害したのは明白な事実!その毒を入れていた容器や袋が、現場であるこの病室のどこからも発見されなかったということは……入れ替わりでこの病室から外に出たという、別府さんと八方さん。犯人はあなた方2人のどちらかということになりますな」


その言葉に名指しされた2人は反論した。

別府さんはトイレに立っただけだし、八方さんはお茶請けのお菓子を買いにコンビニに行っただけ。

完全にあらぬ方向へ向かいそうな警部達を戻すため、あたしは口を開いた。

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おーにし(プロフ) - かすみさん» ありがとうございます!キュラソー書けるか心配ですが、頑張ります!! (2017年8月11日 10時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - 更新お疲れ様でした!キュラソー楽しみです!頑張ってください! (2017年8月11日 5時) (レス) id: 70d4c7b9bf (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます!夏休みだからこその大量更新です笑 続けられるように頑張ります! (2017年8月8日 23時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 大量更新お疲れ様です僕も頑張らないと!お互いに頑張りましょうね☆ (2017年8月8日 23時) (レス) id: 068774ffb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月6日 23時

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