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Story 270 ページ47

琴音さんが石栗さんを殺害した動機は、サークル仲間だった瓜生さんの敵討ち。
瓜生さんの遺体が運ばれて行った日、琴音さんはふとベランダに出たらしい。すると、下で石栗さんが瓜生さんの遺体があったあたりを必死で雪を掘り返していたのだ。
最初は、『石栗さんは瓜生さんが死んだことを信じられなくて、いるはずのない瓜生さんを見つけようとしているのではないか』と思ったそうだ
が──


「彼が捜していたのは自分が首に巻いていたストール……。それを見つけた彼の笑顔が全てを物語っていたわ……。瓜生君は自分で雪の中に飛び込んだんじゃなく、突き落とされたんだってね……」


石栗さんに落とされる時、思わず瓜生さんが掴んだのだろう。でなければ夜中、こっそりあんな物を捜すわけがない。

石栗さんは多分、雪の中でもがく瓜生さんがヘトヘトになった頃に迎えに行くつもりだったのだろうが……。2mの新雪が底なし沼のように瓜生さんの体力を急激に奪い、3人が見つけた時にはもう完全に雪に埋れて冷たくなっていたというわけだ。


「でも失敗したわ……。石栗君の昼食を確実にアイスケーキにするために、誰でもいいからちょっと怪我させて別荘に招き、昼食の人数が増えればいいなと思って飛げたラケットだったのに……
まさかそれが女の子の頭に当たって……その上、その子の連れが名探偵毛利小五郎だったなんて……」


琴音さんは静かに涙を流した。


「私もはまってたかもしれないわね……。もがけばもがく程、破滅へ導く底なし沼に……」


そう言って琴音さんは警察に連行された。

彼女はあたしとすれ違う時、少し悲しそうに笑って言った。


「頭……痛かったでしょ?ごめんなさい。それと……睡眠薬、飲ませちゃってごめんなさいね」


そう言って彼女はあたしの横を通り過ぎた。

……あたしこそ、ごめんなさい。

止められるはずだった殺人を止められなかった。
いらない悲しみを増やしてしまった。

ごめんなさいはこっちの言葉。


きゅっと唇を噛んでいると、不意に頭を撫でる手。相手を見てあたしはふっと笑った。


「……ありがとう」


彼に頭を撫でられるとホッとする。そしてわけもなくドキリとする。

陣平兄にも陽彩兄にも撫でられるけど、零兄のは全然違う。

上手く言えないけれど、違うのだ。


──この違いの正体にあたしが気づくのは、もう少し後。

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おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» うふふ、アリスといえばうさぎなので笑笑 嬉しい限りです笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - おーにしさん» 応援してます。ペンネームが、うさぎなので、親近感わきまして笑 読みました笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» ありがとうございます!なかなか恋愛が絡ませられなくて大変ですが、頑張ります!笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - はじめまして。一気読みしました!続きを楽しみにしています。よろしくお願いします! (2017年8月10日 15時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - かすみさん» いえいえ、ありがとうございます!ぜひ呼んでやってください笑 続編頑張ります!ありがとうございます!(2回目) (2017年8月6日 23時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月2日 11時

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