Story 266 ページ43
その後、再びリビングに3人が集められた。
彼らは石栗さんの事件を偶然の重なった事故だという。それに、石栗さんの相鍵も見つかっていない。
と、横溝警部と入れ替わるように小五郎さんが席に着いた。
その横で、コナン君が時計型麻酔銃を小五郎さんに向けて構える。
すると安室さんがそれを遮るように顔をその照準に突き出した。
「!?」
「ん〜?何してるんだい?コナ───」
安室さんが全てを言い切る前に、あたしはコナン君の麻酔銃の着いた腕をバッと後ろに隠した。
「そうだコナン君!ちょっとお話あるから向こう行こう!」
あたしが強引にコナン君の背を押し、部屋の隅に移動する。
密かに肩をすくめ諦めたらしい安室さんは園子達と話をしていた。
「……危なかった」
「ああ……。サンキュA、助かった。やっぱりあの男の前じゃ眠りの小五郎は出来ねーな……。組織の1人、バーボンだし」
「そうね……。じゃあこういうのはどう?」
あたしが提案すると、コナン君は「それしかねぇな」と頷いた。
それを確認したあたしは蘭についついと話しかける。
「ね、蘭。冷やし中華っていえば氷使うよね?」
「うん。茹でた麺を冷やす時に……」
「おいおいAちゃん、悪いがその話はまた今度にしてくれねぇか?」
「でもおじ様?氷は溶けるんですから、花瓶のどこかに氷を使えば簡単に落ちません?」
「はぁ?」
意味の分かっていないおじ様に、横溝警部が「待ってください……」と何かに気づいたような顔をした。
「花瓶の片側だけに氷を大量に積み上げて落ちないギリギリのところで棚に乗せれば、時間が経って氷が溶けてバランスが崩れて勝手に落ちるんじゃあ……」
「でも大量の氷を何かに入れて持ち運べば、誰かが気づくんじゃねぇか?」
おじ様が怪訝そうにそう言うが、安室さんがさらりと遮った。
「手ぶらでも運べますよ。冷やし中華を作っていた時、テニスウェアのままでしたから。
男性のテニスウェアのスボンはボールが入れられるようにポケットが大きめに作られてますし、女性のテニスウェアもボールポケット付きのスカートは普通に売ってますからね」
「でもなぁ……。例え花瓶を自動的に落とせたとしても、遺体を扉のそばには運べねぇだろ?」
あたしはチラリと新一に視線を送った。それに気づいた彼はこくっと頷いて、無邪気な子供の顔でおじ様に喋りかける。
「そういえば氷ってさ〜……。ツルツル滑るよね?」
「このガキ……」
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おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» うふふ、アリスといえばうさぎなので笑笑 嬉しい限りです笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - おーにしさん» 応援してます。ペンネームが、うさぎなので、親近感わきまして笑 読みました笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» ありがとうございます!なかなか恋愛が絡ませられなくて大変ですが、頑張ります!笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - はじめまして。一気読みしました!続きを楽しみにしています。よろしくお願いします! (2017年8月10日 15時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - かすみさん» いえいえ、ありがとうございます!ぜひ呼んでやってください笑 続編頑張ります!ありがとうございます!(2回目) (2017年8月6日 23時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月2日 11時