Story 264 ページ41
その時、ロッジの周りには新雪が2m近く積もっていたらしく、「これならロッジの2階から飛び降りても死なない」という石栗さんの冗談を瓜生さんが真に受けて飛び降りたのだろう、という話だ。
「昨日がその瓜生の誕生日だったから、みんなで集まって祝ってやったんだ。去年、ひどい誕生日にしちまって……。今年はちゃんとみんなで祝うって約束してたからな……」
去年の今頃も、この別荘にサークル仲間で集まったのだが、石栗さんが「ちょうど瓜生の誕生日だから驚かせてやろう」と言い出したらしい。
瓜生さんが寝てる部屋にベランダ伝いに窓から忍び込み、0時になった瞬間に瓜生さんの耳元でクラッカーを鳴らしたら、瓜生さんはビビり過ぎて泣きじゃくってしまった。
その上、石栗さんにその様子をムービーに撮られてネットに流され、彼はかなり落ち込んでいたとか。
「なるほど。あなた方3人には石栗さんを殺す動機は、充分にありそうですなぁ」
おじ様がそう言う。
高梨さんがそれに勢いよく噛み付いた。
「動機って……俺が石栗の部屋に行ったのはそれ一度きりで、後はずっとあんたらの中の誰かと一緒にいたじゃねーか!探偵さんの話にも付き合ったしよ!」
それに、あたしに石栗さんの部屋で休んでな、と伝言してくれたのも高梨さん。部屋で人が寝ていると知っているのに人を殺すのは難しそうだ。
「ウーム……」
キッチンに残った7人は唸った。
どんなトリックにせよ、石栗さんの体を動かせるのは男の高梨さんくらいかと思っていたが……彼にはほとんど完璧というべきアリバイがある。
部屋の外にいても死体をドアの近くにずらせるような仕掛けがあればいいのだが、そんな物は普通ない。
問題はそれだけではない。石栗さんの部屋の合鍵もそうだ。かなりの細身だから排水口にも捨てられそうだが、見つかったという報告はまだない。
「んじゃ、ゴミと一緒に捨てたんじゃねーか?」
小五郎さんの言葉に、園子が反応する。
「ゴミなら私も蘭と出すの手伝ったわよ!」
「そのゴミ、もう回収されちまったんじゃねーか?」
「高梨さんの車のトランクに載せただけよ!」
高梨さんは「持って帰って出すから」と言い、2人にそう頼んだそう。
「他に、誰かに何かを頼まれたってことは?」
「んーっと……」
安室さんに尋ねられ、蘭が思い出すような素振りを見せる。
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おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» うふふ、アリスといえばうさぎなので笑笑 嬉しい限りです笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - おーにしさん» 応援してます。ペンネームが、うさぎなので、親近感わきまして笑 読みました笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» ありがとうございます!なかなか恋愛が絡ませられなくて大変ですが、頑張ります!笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - はじめまして。一気読みしました!続きを楽しみにしています。よろしくお願いします! (2017年8月10日 15時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - かすみさん» いえいえ、ありがとうございます!ぜひ呼んでやってください笑 続編頑張ります!ありがとうございます!(2回目) (2017年8月6日 23時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月2日 11時