白うさぎと黒い影。【名探偵コナン】

Story 256 ページ33

それはある日のポアロでの出来事。


「……え？テニスのレクチャー？」


カウンター席に座る園子と、おじ様。
彼らにそんなことを言われ、あたしは目をパチクリさせた。


「実は海外に行ってる彼氏の真さんがね、帰国したら一緒にテニスをやろうって誘ってくれたんだけど……。私テニス部員だし、素人に簡単にひねられるわけにはいかなくて……」

「それで誰かに教えてもらおう、ってこと？」

「そう！A、誰かいい人知らない？」


あたしはうーん、と少し考え込んだ。

あたしは人に教えるほど上手くないし、あたしの知ってる4人もそうだろう。

となると残りは。


「……そういえば安室さん、テニスのジュニア大会で優勝したって言ってたな」

「そうなの!? なら是非！」

「あ、でも今体調不良で休んでるから……教えられるか分からないけど」

「じゃあ頼んどいて！安室さんだけが頼みの綱なのよ〜！」

「ハイハイ……」


あたしは軽くため息をついた。


「あ、もちろんAも来なさいよねー！」

「……え、何で」

「当たり前でしょー!? ……これを機に安室さんと付き合っちゃいなさいよ！」

「……はっ？」


あたしは予想していたよりも斜め上から攻撃を食らった。


「何であたしと安室さん？」


そう呟いたけど、それは盛り上がる2人には届かなかったらしい。


「……はぁ」


仮病で休む公安のエースに伝えとくか。←

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