Story 254 ページ31
あたしは推理ショーの最中にスッとさり気なく抜け出し、8号車の物陰に隠れた。
邪魔をするつもりはないけれど、もし原作と違って哀ちゃん本人だとしたら。
殺されるのは防がなければならないし、公安に保護なんてもっとダメ。
そんな思いからだった。
やがて零兄と哀ちゃん(大人ver)が対面し、何やら話をし始めた。
組織の人間に怯えず話す所を見ると、やはり本物じゃない。
やがてドン!と爆発音が響き、あたしはびくり、と体を震わせた。
やはり、原作通り貨物車が切り離されたのか。
様子を見に行こう、とあたしが前に出ると──
グイッ。
「っ!?」
「
英語だ。
振り向くと、プラチナブロンドのロングヘアー。
「……ベル、モット」
「久しぶりね。この間の埠頭以来かしら」
ふふっと妖艶に笑うベルモット。
でも、と彼女は視線を鋭くさせた。
「まだ記憶は戻ってないんでしょ?言ったはずよ、これ以上記憶のない状態で組織に関われば、貴女は確実に消されるって」
「組織にあたしの存在がバレれば、でしょ?」
「あら、バレてるわよ」
「……っな!?」
あたしはぎょっと目を見張った。
ベルモットは掴んでいたあたしの腕を解放し、腕組みをする。
「宮野明美暗殺の時……。会ったでしょ、ジンに。その時にボスに報告されてたわ」
「……あの野郎」
あたしが悪態をつくと、ベルモットは「相変わらずね」とため息をついた。
「ボスはずっと安否不明だった貴女が生きてると知って喜んでいたわ。なぜ帰ってこないのか、と不審がってはいたけどね」
「……それはそれは」
「でも急ぐことね。貴女を連れ戻すべく、組織は動き出してる。貴女の記憶がないことがバレるのも時間の問題よ」
そうなれば、記憶がない内に殺されるのは必須。
そうならない内に早々に記憶を戻すか、組織から手を引くか。
「Good luck♡」
ベルモットはチュ、とあたしの頬にキスを落としてその場を去った。
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おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» うふふ、アリスといえばうさぎなので笑笑 嬉しい限りです笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - おーにしさん» 応援してます。ペンネームが、うさぎなので、親近感わきまして笑 読みました笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» ありがとうございます!なかなか恋愛が絡ませられなくて大変ですが、頑張ります!笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - はじめまして。一気読みしました!続きを楽しみにしています。よろしくお願いします! (2017年8月10日 15時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - かすみさん» いえいえ、ありがとうございます!ぜひ呼んでやってください笑 続編頑張ります!ありがとうございます!(2回目) (2017年8月6日 23時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月2日 11時