Story 252 ページ29
その頃。
ハァ、ハァと煙が充満している8号車の中を走る女が1人。女──元の姿に戻った灰原はゴホゴホと咳をしている。
そんな彼女に声をかける人影が1人。
「さすがヘル・エンジェルの娘さんだ……。よく似てらっしゃる……」
煙の中から姿を現したのは──
「初めまして。バーボン……これが僕のコードネームです」
──安室透だった。
バーボンとシェリーは煙の立ち込める8号車で話を続ける。
「バーボン……このコードネーム、聞き覚えありませんか?君の両親や姉とは会ったことがあるんですが……」
「ええ……。知ってるわよ……。お姉ちゃんの恋人の諸星大とライバル関係にあった組織の一員……。お姉ちゃんの話だと、お互い毛嫌いしてたらしいけど……」
諸星大とは、赤井の組織での偽名。
安室──いや、バーボンは余裕の笑みを崩さないまま言った。
「ええ……。僕の睨んでいた通りあの男はFBIの犬でね。組織を裏切った後、殺されたっていうのがどうにも信じ難くて……。あの男に変装し、あの男の関係者の周りをしばらくウロついて反応を見ていたんです。お陰であの男が本当に死んでいるということが分かりましたけどね……」
彼を変装させてくれたのは今回、彼の代わりに赤井に化けてくれた仲間──ベルモット。
「さぁ……手を挙げたまま移動しましょうか……8号車の後ろの貨物車に……」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
──名古屋駅
未だにホームで騒いでいる鈴木次郎吉相談役とそれを宥めている愛知県警。
それを陰から見ている黒服──ジンとウォッカが話をしていた。
「馬鹿な奴らだ……。到着と同時にホームに仕掛けたC-4で吹っ飛んじまうとも知らねぇで……」
「鈴木財閥の親玉や愛知県警のトップ連中がホームに群れてるのは好都合だな……。奴らの
ジンがニヤリ、と笑う。
「それよりベルモットとバーボン……。どうやって列車から脱出するんで?知ってるんでしょ?爆破のこと……」
ウォッカがそう言うと、ジンは笑って背を向けた。
「さぁな……。俺の知ったことか……」
「え?でもベルモットに聞かれましたぜ?C-4が余ってんなら分けてくれって……」
「何!?」
「何に使うか聞いたんですが、はぐらかされちまいやして……」
ジンはベルモットが何を企んでいるのかを勘付いたらしい。
思い切り顔をしかめた。
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おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» うふふ、アリスといえばうさぎなので笑笑 嬉しい限りです笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - おーにしさん» 応援してます。ペンネームが、うさぎなので、親近感わきまして笑 読みました笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» ありがとうございます!なかなか恋愛が絡ませられなくて大変ですが、頑張ります!笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - はじめまして。一気読みしました!続きを楽しみにしています。よろしくお願いします! (2017年8月10日 15時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - かすみさん» いえいえ、ありがとうございます!ぜひ呼んでやってください笑 続編頑張ります!ありがとうございます!(2回目) (2017年8月6日 23時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月2日 11時