Story 244 ページ21
「しかし犯人は室橋さんと何の話を?」
能登が小五郎に尋ねる。
「毎年このミステリートレイン内で行われている推理クイズの相談ですよ。
犯人は偽の指示カードで室橋さんが被害者役、犯人が犯人役、そしてこの1等車にいた私の娘達が共犯者役に選ばれたと偽り……死体消失トリックのためだからと言って、7号車のB室にいた室橋さんと娘達の部屋を交換させてますので……」
もちろん、本来なら1等車のB室は室橋が予約していたはずだから、その指示カードは不測の事態の時のために用意していた物。
そして念のために子供達を探偵役に選んだのだ。
その7号車のB室に誰かが探偵役として訪ねて来れば、蘭達は共犯者としてしばらくその部屋に留まらなくてはいけないからだ。もっとも、それはすぐにバレてしまい、蘭達は子供達と犯行のあった1等車のB室に戻って来てしまったが。
「それで?犯人が室橋さんを移動させたB室に入ったところまでは分かったが……いつ出て来たんだね?」
「そうよ!B室に入った直後に殺してすぐに部屋から出たんなら、A室の前にいた車掌が見てるはずよね?」
「でも見ていない……。となると怪しいのは、やはり車掌さんが見た扉越しに覗いていた人物ですね……」
能登、出波、安東が言った。
車掌が見たのは廊下の一番向こうの扉。E室の前にいる時に見たから、能登さんのA室だったかもしれないというのだ。
「その、覗いていた不審人物の正体なら分かりますよ」
「え?」
能登が驚いたように小五郎を見た。
「それは車掌さん……あんただよ!」
「ええ!? ぼ、僕が不審人物!? 犯人なんですかぁ?」
車掌が慌てる。
「いや……。車掌さんが見たのは、E室の扉とその前にいた自分自身……。
鏡ですね?」
「そうか!犯人は自分の部屋の扉の内側全体に鏡を貼っておき、車掌さんが出波さんに呼ばれてE室の前にいる時にその扉を開けることで、犯行を終えてB室から出て来る自分の姿を見えないようにしたんだな」
安室の言葉に、緑川が納得したように頷いた。
扉のノブに釣り糸を結んで廊下の窓の手すりに通し、それをB室に引き込んで頃合いを見計らって引っ張って開けたのだ。
「そう……このトリックは鏡の位置が近くても遠くてもバレてしまう……。
となると、ABCDEのちょうど真ん中のC室の乗客である安東さん……あなたにしか出来ないんですよ!」
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おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» うふふ、アリスといえばうさぎなので笑笑 嬉しい限りです笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - おーにしさん» 応援してます。ペンネームが、うさぎなので、親近感わきまして笑 読みました笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 月姫@日向うさぎさん» ありがとうございます!なかなか恋愛が絡ませられなくて大変ですが、頑張ります!笑 (2017年8月10日 16時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
月姫@日向うさぎ(プロフ) - はじめまして。一気読みしました!続きを楽しみにしています。よろしくお願いします! (2017年8月10日 15時) (レス) id: 92a3be2260 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - かすみさん» いえいえ、ありがとうございます!ぜひ呼んでやってください笑 続編頑張ります!ありがとうございます!(2回目) (2017年8月6日 23時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし | 作成日時:2017年8月2日 11時