白うさぎと黒アリス。【名探偵コナン】

Story 8 ページ10

ライが組織を裏切ってから少し経った。

あたしのガードは緩むことも固くなることもなく、前と変わらない。


ただ、いる場所は違った。


「……仕事はどうしたの、アリス」

「多分ない。PCに依頼入ってないし」

「だからって科学者の所に居座ってていいわけ？」

「だってベル姉いないんだもん」


はぁ……と険のあるため息をつくシェリー。あたしは彼女の研究室のソファーで寝転んでいる。


ここはアメリカのニューヨーク。組織の研究施設の1つである。

たまたま暗殺の仕事が入ったからアメリカに来たのだが、シェリーとベル姉がいると聞き即住み着いた。


ボスや日本の幹部にはベル姉から事後報告してもらった。みんな渋い顔をしていたが、ちゃんと頷いてくれるあたり優しい。


「ねぇ、シェリーはずっとここで研究？」

「ええ」

「つまらなくないの？」

「それが仕事だもの」

「……すごいね」

「あなたとは事情が違うわよ」


シェリーはつまらなそうにそう言った。


「あなたは情報漏洩を危惧して、でしょ。私は仕事だからいるだけ。事情が違いすぎるわよ」

「……じゃあさ、後で一緒に買い物行かない？」

「行かない。ガードマンと一緒に行ってくれば？」

「シェリーと行きたいのに。けち」


ぶぅっと膨れると、シェリーは大きくため息をついた。


「……少しだけよ」

「やった！シェリーありがとう大好き！」



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