Story 1 ページ2
初めて目を覚ました時、あたしは病院のベッドの上にいた。
最初に目に飛び込んで来たのは真っ白い天井。そして薬の匂いだった。
「あら、起きた？」
近くを通りかかった看護師さんがあたしを見てそう声をかけてくれる。
程なくして医者の先生と若い男女2人組が入って来た。
「Aちゃん！目を覚ましたのね！よかった……！」
女の人は目に涙を浮かべて、心底嬉しそうに言った。
先生は黙々とあたしを診察していく。
やがて、先生はあたしを見てあることを尋ねてきた。
「これは何か分かるかい？」
「……ボールペン？」
「正解。じゃあ……」
あたしはそれから、簡単な歴史の問題や計算問題を出された。
全てにスラスラと答えるあたしに、先生は真面目な顔をして訊いてきた。
「……じゃあ、最後の質問。この2人に見覚えはあるかい？」
あたしはふるふると首を横に振った。
「……君は自分の名前は分かるかな？」
「分からない……。さっき、その女の人があたしをAちゃんって呼んでた気がするけど……」
あたしはそう答える。
先生が2人の方を向いて言った。
「おそらく、外傷性の記憶障害でしょう……。頭を怪我していたということですから、恐らくそれで……」
「記憶は戻るんですか？」
男の人が訊いた。先生はこくっと頷く。
「恐らく、ですが……。まぁ、あんなことがあったばかりですし、無理に思い出させなくてもいいかと……」
「そう、ですね……」
男の人が悲しそうに目を伏せた。
やがて先生が出て行き、2人はベッドの近くの椅子に座った。
「……さて、と……。とりあえず、ざっくりと説明しようか」
男の人はあたしの方をまっすぐ向いて話し始めた。
どうやら、あたしは事故で記憶を失ってしまったらしい。
目の前にいる2人……有希子さんと優作さんはあたしの育ての親。生みの親についてはあまり話したくなさそうだった。
そして、あたしは今6歳……つまり、小学校１年生だということ。
２人の間には、あたしと同い年の息子がいること。
色々と教えてもらったけど、6歳の頭で理解するには重すぎて。
あたしは自分の中で「自分は記憶喪失、この人たちと一緒に暮らしてる」と結論付けた。
「小学校入学前でよかったわ。新ちゃんや蘭ちゃんもいるし……」
有希子さんがホッとしたように言う。
あたしはよく分からなくて目を伏せた。
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おーにし(プロフ) - 零大好き(*´ー｀*)さん» ありがとうございます！降谷さんをカッコよく書けるよう精進してまいります(^^) (2018年4月21日 19時) (
レス) id: 1c4bcc000c (このIDを非表示/違反報告)
零大好き(*´ー｀*) - めっちゃ面白いです。降谷零が好きなのでいいですね！ (2018年4月20日 21時) (レス) id: 99bad809e9 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - おーにしさん» いえいえ、こちらこそすいません。m(_ _)m (2017年10月5日 8時) (レス) id: 0fac29e216 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 零音さん» そうなんですよ。ご心配おかけしてすいませんでした (2017年10月5日 6時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - おーにしさん» はい、そうです。結構似ていたので、偶然似てしまっていたんですね。 (2017年10月5日 1時) (レス) id: 0fac29e216 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おーにし x他1人 | 作成日時：2017年5月14日 0時
