Story 18 ページ20
取り敢えず家に来てもらうように頼んだ。
家には誰もいなかった。
「……お茶でも飲みます?」
「ああ、お構いなく」
「僕はいただきましょう」
「俺ももらおうかな」
あたしが3人にお茶を出すと、ちょうどそこで陣平兄達3人が来た。
「陣平兄!研二兄、航兄も……。ごめんね急に呼び出して」
「いや、俺達も話したかったしな」
そう言って鷹揚に手を振る陣平兄に、あたしはホッと息をついた。
「……で、これは一体何の集まりだ?ずっと連絡取れなかった2人がいるわ、知らない男がAん家に上がり込んでるわ。説明はちゃんとあるよな?」
陣平兄が厳しい目であたし達4人を見た。
「……ある巨大な犯罪組織に潜入していたスコッチ──緑川陽彩を助けただけ、だよ」
あたしはそう言った。
陣平兄達は『犯罪組織』という単語に反応して目を丸くし、零兄達は「何でそれを知っている」と言わんばかりに目を丸くしていた。
予想通りの反応にあたしは苦笑いをこぼし、話を始めた。
「お前……また無茶やったのか?」
「ごめん」
「まぁ、過ぎたこたぁしょうがねぇ。何があった?」
「うん、実は……」
「それは俺から話そう。Aには少し荷が重すぎる」
陽彩兄があたしの言葉を遮って代わりに説明してくれた。
3人が潜入してる組織のこと。
そして今に至る経緯を説明した。3人は俄かに信じ難いようだったが、一応納得はしてくれた。
「……事情は分かった。でも、この男はここにいていいのか?組織の人間なんじゃ──」
「ううん、平気。この人は組織に潜入してるNOC──ノン オフィシャル カバーだから。……ですよね?赤井秀一さん?」
あたしは彼の方を向いて言った。
「……なぜそこまで知っている?」
赤井さんが怖い顔であたしの方を見る。
あたしは苦笑いを浮かべた。
「……その話をする前に……赤井さんには部屋から出てて欲しいんですけど。この秘密は誰にも話したことないし、むやみやたらと話したくはないから」
そう言うと、零兄がこれ幸いとばかりに赤井さんを追い出した。
ごめんなさい赤井さん。←
「……さて?説明してもらおうか」
「俺達の時もそうだったけど、君はどこか未来を分かっているような口ぶりだった。どうしてそんな風に言えたんだ?」
あたしはこくりと頷き、話し始めた。
転生トリップのこと。
あたしが助けなかった場合のみんなの死に様。
助けた人達の未来は想像できないことも全てだ。
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おーにし(プロフ) - 零大好き(*´ー`*)さん» ありがとうございます!降谷さんをカッコよく書けるよう精進してまいります(^^) (2018年4月21日 19時) (レス) id: 1c4bcc000c (このIDを非表示/違反報告)
零大好き(*´ー`*) - めっちゃ面白いです。降谷零が好きなのでいいですね! (2018年4月20日 21時) (レス) id: 99bad809e9 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - おーにしさん» いえいえ、こちらこそすいません。m(_ _)m (2017年10月5日 8時) (レス) id: 0fac29e216 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 零音さん» そうなんですよ。ご心配おかけしてすいませんでした (2017年10月5日 6時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - おーにしさん» はい、そうです。結構似ていたので、偶然似てしまっていたんですね。 (2017年10月5日 1時) (レス) id: 0fac29e216 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし x他1人 | 作成日時:2017年5月14日 0時