Story 9 ページ11
「じゃあ電気消すぞ?」
結局、Aの向かいになることになったのは伊達。まぁ妥当な線だろう。
「Aちゃんが斜向かいに……」
「待って命の危機を感じた」
……1人危ない奴がいるが、多分平気だ。……多分。
フッ、と電気が消える。「お休み、零兄」Aがボソッと小さく言った。
俺は少し頬を緩ませ、「お休み」とだけ言った。
夜中の2時過ぎだろうか。
隣の布団でもぞもぞと動く気配がした。
俺は眠りが浅い方だからすぐそれに気づき、薄く目を開いた。
(……A?何でこんな夜中に……)
Aはマンションのベランダに出て、じっと空を眺めていた。
季節は冬。パジャマ1枚のままでは風邪をひくと思い、俺はホットミルクと毛布を持って彼女の元へ行った。
「A?」
俺が名前を呼ぶと、Aはびくっと肩を震わせた。
一瞬のタイムラグの後──
「あ、零兄」
ふわり、と笑って振り向いた。その目は少しだけ赤く腫れていて。
「……泣いた、のか?」
俺は思わず訊いてしまった。Aは少し困ったように目を逸らす。
「……何でそう思ったの?」
「目が腫れてる。それに、いつもならそんな悲しそうに笑わないだろう?」
俺の言葉に、Aは少し驚いたような顔をした。
「……ちょっと感傷に浸ってただけ。問題ないよ」
また悲しそうに笑う。俺はこれ以上聞き出すのは無理かと考え、話の方向を変えた。
「ホットミルク持って来たけど……飲むか?」
「飲む」
即答。俺は彼女の素直さに思わず苦笑した。
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おーにし(プロフ) - 零大好き(*´ー`*)さん» ありがとうございます!降谷さんをカッコよく書けるよう精進してまいります(^^) (2018年4月21日 19時) (レス) id: 1c4bcc000c (このIDを非表示/違反報告)
零大好き(*´ー`*) - めっちゃ面白いです。降谷零が好きなのでいいですね! (2018年4月20日 21時) (レス) id: 99bad809e9 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - おーにしさん» いえいえ、こちらこそすいません。m(_ _)m (2017年10月5日 8時) (レス) id: 0fac29e216 (このIDを非表示/違反報告)
おーにし(プロフ) - 零音さん» そうなんですよ。ご心配おかけしてすいませんでした (2017年10月5日 6時) (レス) id: 0c53be3934 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - おーにしさん» はい、そうです。結構似ていたので、偶然似てしまっていたんですね。 (2017年10月5日 1時) (レス) id: 0fac29e216 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーにし x他1人 | 作成日時:2017年5月14日 0時