次の日(クイル) ページ7
船に戻ると、彼女から通信が入った。
『ピーター、昨日は仕事中にごめんね』
「いや、いいんだ。こっちこそ、ごめん」
『ねぇ、次はいつ会える？』
「え……」
なんだよ、冷たかったのはそっちなのに、急に甘えた声なんて出して。
俺は、居心地悪くなって、ベッドに身を投げ出した。
『あいたいな…』
「どうして…？最近冷たかったじゃんか」
俺がわざと拗ねた声を出すと、彼女はえっと焦った声を出した。
『ご、ごめんね。それはたぶん…仕事が立て込んでて』
「でも、友達と出かけたりしてたじゃないか」
『う……そーだけど……』
「なに？言いづらいことでもあるの？」
『ピーター、やっぱり、こんなに遠く離れてたら難しい…と思う』
「え」
『…近くにいないから…さみしいし…声を聞くと余計に会いたくなるし…』
「A」
『どうしたらいいの？ピーター』
胸がきゅうんと苦しくなった。
今すぐ会いに行きたいよ。
「待ってろ、A」
『え？』
「あ、通信オフにするからな」
俺はすぐに操縦席に行った。
「おい、クイル、次の行き先決まったのか？」
「地球だ」
「地球！？またいくのか？なんの用だ？」
「俺の用だ。悪いけど。けじめをつけないと」
「……ふざけんなよ、まったく…ま、どーせ言ったって無駄だろうけど」
「あぁ、無駄だね」
俺はすぐにコースを地球へとセットして、艦内アナウンスを流した。
「えー、諸君、突然だが次の目的地は地球だ。これは俺のわがまま半分だが、申し訳ないが付き合ってくれ」
船中からざわざわ…が聞こえてくるようだったが、この際もうしょうがない。
俺の心はすでに地球にあったからだ。
「しゃーねーな、ったく」
ロケットは隣の席に座ってベルトを締めた。
「じゃあ、出発するぞ！」
丸一日かけて地球までやってきた。
「衛星からの感知オフ…遮蔽装置はきちんと作動中、いつでも大気圏に入れるぞ」
「よし、行ってくれ」
彼女のいる町に。
さぁ、けじめをつけるんだ。ピーター
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shizuha(プロフ) - くいるさん» コメントありがとうございます！嬉しいです(T＿T) (2019年8月22日 10時) (
レス) id: 857b6b7d06 (このIDを非表示/違反報告)
くいる - とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました (2019年8月12日 22時) (レス) id: b86fe8ef94 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - クィル好きなんですよ！でも、クィルの話がなかなか無くて苦笑。 (2019年6月19日 18時) (レス) id: 4bc136adeb (このIDを非表示/違反報告)
shizuha(プロフ) - マカロニさん» コメント嬉しいです！クイル好きですか！？励みになります！ありがとうございます^ - ^ (2019年6月19日 18時) (レス) id: 857b6b7d06 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - 更新頑張ってください！めっちゃ応援してます！更新楽しみに待ってます！ (2019年6月19日 18時) (レス) id: 4bc136adeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizuha | 作者ホームページ：https://plus.fm-p.jp/u/hitohirahuwari
作成日時：2019年6月19日 9時
