不死川さんと町娘

甘い夢 ページ6

不死川は眠っていた


そして珍しく夢を見ていた


今日出会ったあの少女の夢だ

夢の中でも少女はすやすやと眠っていて
またぼんやり見つめている自分がいた

自分が夢の中にいるのが何となく自覚出来た不死川は何となく少女に触れてみる


だが所詮は夢感触などありはしない

だが視覚ではしっかりと自分は少女に触れている

その光景に生唾を飲み込む自分がいた


頬に触れている。

少女の頬に自分の傷だらけの手が

指先が触れている


自分の心臓が高鳴っているのが分かった


次に髪に触れてみる

髪を梳く様に触ると自分の指に彼女の白い綺麗な髪が絡まっている

軽く握れば支配した様な擬似的な感覚を味わった

そして優しく髪をとく様に整えてあげた


なんでこんな知らない、しかもただの女に惹き付けられるのか不思議だった



そして不死川は唇に目をやる

この唇に触れるのは流石にだめだ

だめだと自分に言い聞かせる

だが手は止まらない

自分の指先が彼女の唇を押す

ふにゅっとゆうような何とも柔らかな効果音が出そうな唇


まずいもうやめなくては、きっともうすぐ夢は覚める


分かっているのに指先は唇から離れない

そして我慢できなくなり薄く閉じられた唇の中に指先を入れようとした



その瞬間夢は覚めた


ガバッと勢いよく起き上がり血眼の目を閉じ顔を掌で覆い落ち着く。
何をしているんだ自分はと歯を食いしばる



そして顔から手を離し自分の利き手の指をぼんやり見つめる


この手が夢の中で少女に触れた


だがそんな考えも振り払い
とにかく朝の支度をする


厠へ行き顔を洗い軽く汗ばんだからだを湯浴みし綺麗にする。そして朝食を作り食べる


それからはいつも通り鍛錬をする


そう鍛錬をするのだ

決してあの少女の事など考えない様に


逢いに行くなど考えるな

あの少女とは生きる世界が違うのだと
自分に言い聞かせる


またもや葛藤する不死川実弥だった

鍛錬、だが集中力はない→←少女の不思議な話

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