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哀しい告白 ページ42

不死川実弥は小さな声で言う


「俺は人を殺 した事がある」


少女の顔は見れなかったが
話を続ける


「鬼になった母を俺は殺 した」


"何でだよ!何でだよ!何で母ちゃんを殺 したんだよ!!人 殺 し!人 殺 しー!!!"


「俺は人 殺 しなんだ」


そう呟いた後俺は目を閉じる
今も鮮明に思い出せる
目の前で消えていく血濡れの母

あの時の母の顔は忘れられない

とてもとても綺麗な穏やかな顔
朝日に照らされた最も優しい女性

少女は何も言わない

ああ、きっともう終わりだ

俺はここから立ち去ろうとする


『まって』


少女に袖を掴まれる


ちらりと少女を見た


驚いた事に少女は涙を流していた

ハラハラと綺麗な大粒の涙を流し
俺の目をしっかり見つめていた


何故君が泣くんだ…
思わず狼狽えてしまう
立とうとしてた不死川は座り込んでしまう


「…なぜ泣くんだ」


自分の母親に同情しているのか?
色んな事を考えていると少女は言う


『貴方は人 殺 しなんかじゃないわ』

そう言うと彼女は俺を抱き締める


離してくれ、離せと少女を怒鳴る

少女は黙って強く俺を抱きしたまま泣いている


「お願いだ、離してくれ」

怒鳴り声は次第に小さくなり
弱々しい声に変わる

お願いだ離してくれ

不死川は心の中にある重しのような、縛りのようなものが無くなっていくのを感じた

自分の罪をこのままでは許してしまう
許してしまえば最後
止まれなくなると思った

もう遅い。
温かいものが頬を伝うのを感じた

そして頭によぎる
少女との幸せな未来


衝動はとまらない
少女の体を掻き抱く
強く強く抱き締める
欠けていた何かを埋めるように


あの月を見上げた夜の答え
誤魔化し続けた心の影


彼女と共に生きてもいいのだと聞こえた気がした

願わくば→←帰宅



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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花帆 - 完結おめでとうございます! 垣根の外からの出会いや、不死川兄の夢主さんへの対応や感情の変化が本当に可愛くて、微笑ましいです(*´ω`*)温かい気持ちになれるお話で面白いです!!すごい良かったです!番外編もあったら拝読したいぐらいです♪ (2019年9月12日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
深紅 - ほんわかとした雰囲気がとても癒やされました。新作も楽しみにしてます。 (2019年7月30日 21時) (レス) id: d50d29b004 (このIDを非表示/違反報告)
あい* - 最高すぎます…やばいしんどい…(語彙力)すごい好きでさこの小説…!!! (2019年7月25日 10時) (レス) id: 65f8b55b72 (このIDを非表示/違反報告)
白猫とみせかけてアルビノの黒猫(プロフ) - うおおおおお、語彙力とはこの事を言うのですね。好きです。2時間かけて読みましたがとても貴重な時間になりました泣有難う御座いました!! (2019年7月25日 2時) (レス) id: 18a6a661ff (このIDを非表示/違反報告)
ねこずな(プロフ) - ウオオめちゃくちゃ良いお話です!不死川さんめっちゃキュンキュンしますー! 新作も楽しみにしてます!! (2019年7月13日 5時) (レス) id: f038d3e1b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しづ | 作成日時:2019年7月9日 2時

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