不死川さんと町娘

女湯での出来事 ページ40

少女は彼より先に銭湯に入る

番頭に金を払いいつもの様に着物を脱ぐ

すると少女の存在に気づいたのか沢山の人がすれ違いざまにこんにちはと言ってくる

小さな女の子は、あ！白いお姉ちゃん！と駆け寄ってくる

Aは可愛い事、そして更に気さくで優しい少女だとこの街では、とゆうか銭湯では人気者だ


かけ湯をしのんびり浸かっていると

たった今入ってきた噂好きのおばさんが少しだけ大きな声で喋り出す、今旦那とすれ違ったんだけどねぇ、男湯にそれはそれは大きな色男がいるらしいのよ！っと


色男？…なんとなく聞き耳を立てる

色男だってぇ？あんたの旦那の見間違いだろぉと笑いながら周りのおばさんは言う


「違うんだよぉ！傷だらけの男でねぇ、柄は悪いけど寡黙な男で、さらにすんごいたくましい体をしてるらしいのぉ！！」

「えええ！ほんとにぃ？？」

おばさん達はキャッキャと話している
柄が悪い男でも寡黙ならあたしゃ好きだよ！とか
そんな色男さんとならあたしも話してみたいわぁと


きっと不死川さんの事だ

今も隣の男湯がわーわーと騒いでるのはきっと彼のせいなのだろうとふふ。と少し笑うA


隣に浸かってる少女にこっそり聞かれる


「お姉ちゃんの恋人さんの事だよね？」


『恋人…？恋人！？え！？違う違う！！実弥さんとはそんな関係じゃ…ぁ…』


おばさん達は確かに聞いたぞ。とゆうように詰め寄ってくる


『Aちゃん！もしかして連れさんかい？！あんたも隅に置けない女だねぇ〜！」

「どんなひとなんだい！？優しいのかい！？」


質問が飛び交うなか私はひたすら彼はお友達なの！っと叫ぶのであった



そしてしばらくして二人とも少しだけ疲れたように出てきた


銭湯から出ても二人は注目の的だった


『実弥さん…！帰りましょ』

そう言って笑いかけてくれる少女

短く、あぁと言って並んで帰る


帰り道は人通りが少なかった


『なんだか、男湯騒がしかったですね、何かあったんですか？』


ああ、色々あったぞ。と全て話すと
少女は腹を抱えてケラケラと笑い出した

『私も実弥さんの事沢山聞かれて大変でした』


少女の方も色々あったそうだ
気に入りましたか？と最後に質問され俺は
柔らかく言う。

「優しい気さくな人ばかりで気に入った」

そう伝えると少女は耳まで真っ赤にしながら喜んでいた


二人のお気に入りの場所がもうひとつ増えた

あの縁側と銭湯だ

これからも増やして行けたらいいなと考える二人だった

帰宅→←男湯

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