不死川さんと町娘

少女とのお話 ページ18

少女の名は春野 A とゆうらしい


これは失礼な話だがてっきり雪のような苗字かと思っていた。だが春野とゆう苗字も頷ける
あたたかい春の陽だまりの様な彼女の笑顔


『よろしくお願いしますね、不死川さん』


不死川さんとゆうその言葉、何だか鬼殺隊と何ら変わらない気がしてくる…なにか違うふうに呼んで欲しい、鬼殺隊の俺じゃない、なんとゆうか
ただの俺を呼んで欲しい。そう思った時には口に出てた


「実弥」


『実弥さんっで、いいですか？』


「あぁ」

『じゃあ私も…Aでいいですよ！』


少女は満足気にまたおはぎを食べ始める

初めて人に、下の名前で呼ばれた
いつもなら不死川さんと呼ばれるのに

嬉しくて下を向いて少しほくそ笑む


『あ！実弥さん笑いましたね！ちゃんと笑ってるの見たの初めてです！』


少女は嬉しそうに俺の顔を覗いてくる
照れくさくなりそっぽを向いてしまう


『ふふ、照れ屋さんなんですね、いつかしっかり私にも見せてくださいね〜ふふ』


全くこの少女には調子を狂わせられっぱなしだ
その後も2人で喋る
俺は相変わらずあまり喋らないが
彼女の方がよく喋る
なんでもこの家には一人だけで住んでるらしい
だから二人での食事がとても楽しかった


またぜひ来てほしいとお願いされた


一瞬悩む、本当は毎日来たいがこれは自分のたるんだ心になるのではないか、考える。
少女はごめんなさい、忘れてと少し目を伏せながら申し訳なさそうな顔をする

「ここに来る、だからまた食おう、一緒に」


なんとか出た、ちょっと片言になってしまったが
よし！！よぉし！いいぞ俺！！


少女は少し涙ぐみながらはい！と元気に返事した


そしてお互いの誕生日、身長、好きな物
どんな生き物が好きか、猫と犬ならどっち派

そんなしょうもない話をしてると

少女はゴホゴホと咳き込み始めた
かなり酷い咳だ


しまいにはあまりの咳に座っていられなくなったのか倒れ込む

すかさず手を伸ばし彼女の肩を持ち
自分の胸元に寄せて
大丈夫かと聞くと
咳き込みながら棚を指さす


少し待っていろと彼女をゆっくり横に寝かせると
素早く棚を見ると小さな小袋が大量にある

いくつだ？ひとつでいいのか？

そう聞くと少女は指を一本立てた

自分が飲んでたお茶を彼女の前に差し出し
薬をやると咳の合間にサラサラと薬を口に入れお茶で飲み込む


少女はぐったりしていた

少女の事→←少女との昼食

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す