トロイメライの贈り物 (ページ6)

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救いの宝石ページ6

男は乾いた笑い声を出した
ああ、なんて女だ。まるで狐のようだと笑う
女は不思議そうな顔をして男を見る

男は笑いながら、だが瞳の奥に薄暗い炎を宿したまま女に質問を投げかけた

「お前がやった事は彼奴らを救ったのか？」

その言葉に女は笑顔を貼り付けたまま言うのだ

『ええ、希望も夢もない日々から抜け出したのです
ある意味救いになったのではないでしょうか
結果は残念ですが…あ、でも彼等は"今"も幸せですよ』

"今"もとはどゆう事だろうか、男は質問する
女は静かに微笑んだ後、少し口をモゴモゴして
んべっと舌を出した

舌の上にはコロコロと宝石が輝いている
何の真似だと睨む様なその視線に女はまた口を閉じ口をモゴモゴして、喋り出す

『とても綺麗でしょう？これは彼等の明日。まぁ、所謂魂とゆうものです！人生とも言えますね、彼等は亡くなると同時に私に戻り夢を延々と見続けるのです』

女は心臓の辺りを胸を優しく撫でながら微笑む

"ずっと幸せな夢を見続けられるのだ"と

話を聞いている男はきっとこの女には
何を言っても通じない。
いや、己の行動はきっと正しい事だと思っているのだろうと分かりそれ以上は何も言わなかった

後ろで警戒しているベポに行くぞと声をかけ路地裏を出ようとした

しかし身体が動かない

綺麗な音と共に視界がやけにぼんやりしたのを感じた