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｢あははっ、Aちゃんってこういうゲーム弱いんや、かわええ｣
｢そ、それって遠回しに運が悪いって言ってますよね？！｣
そう、今私達がやってるのは某有名ゲーム機でやれる人生ゲーム。
順調すぎるくらいに進んでいく志麻さんに私はボロ負け、そんなに悪い職に就いた訳でもないのになぁ･･･
｢志麻さんが運良すぎるんですよ･･･｣
｢そうかぁ？別にこのゲームそんな厳しく作られとらんやろ｣
｢こんな可愛い子と一緒に住めとる時点で俺運ええことは知っとるけど｣
なんだか、恥ずかしくて何も言い返せずただただ顔が赤くなっていく。
｢あ、顔真っ赤や。Aちゃんもこんなイケメンと同居できとるんやから運めちゃくちゃええやろ〜？｣
無理やり目を合わせられるように頬の辺りを包むように持たれる。
･･･改めて見ると顔整いすぎでは。
顔をまじまじと見ることなんてあまりないし、近づいてきた時はだいたいそのまま口を塞がれたりその上を行くことをされて考えていたことを全部飛ばされたりで初めてここまでまじまじと見たかもしれない。
｢だ、黙ってればもっとイケメンだと思いますけど？！｣
｢ほぉーん？それはつまり、俺の顔がイケメンって言いたいわけぇ？｣
否定できない、そんなうちにももっと顔は近づいてくる。
｢ふは、そこんとこどうなん？｣
この顔、ほんとに、これだけ近くで見ろと言われると凶器になりうる。
｢っひ･･･、が、顔面が凶器･･･｣
ほとんど心の中で思ったことが無意識のうちに出てしまうと志麻さんは大爆笑していた。いや笑い声ほんとに響くのでやめていただきたい。
｢言い方悪すぎやろ｣
｢んで、どうなん？｣
もう、否定するのも馬鹿らしいというか、否定する必要性を感じなかったので肯定することにした。
｢･･･いけめんだと、おもってますけど･･･｣
｢んふ、嬉しっ｣
｢俺もAちゃんの顔可愛くて大好き｣
ちゅ、と軽く触れるだけのキスをする。
さっきあれだけ顔をまじまじと見させられたせいで無駄な意識をしてしまいだんだん顔が赤くなっているふうに感じる。
｢はっ･･･早くゲーム進めてください！次志麻さんの番ですから！！｣
恥ずかしさを消そうとしたらだんだん声が大きくなってしまったけどそれを見てもケラケラと笑うだけなのでもう何も考えたくない。
｢もー、すぐ照れちゃって可愛ええなぁ〜！あ、まためっちゃ金貰えた｣
｢えぇ･･･｣
多分これ、負けた。
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作者名：s | 作成日時：2023年11月5日 15時
