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車で行くことになったので車の中では他愛のない世間話のような話をして、気づけばついていた。
車を降りるとすぐ流れるように手を繋がれた。それも、恋人繋ぎで。
普段の生活で慣れてしまったのか、前よりも手を繋がれてもドキドキしないらしい。
｢この間一緒にゲームやった時俺結構楽しかったから他にもゲーム欲しいんやけど、Aちゃんはどう？｣
私も楽しかったし、いいなと思うと少しワクワクした気持ちになった。
｢私も楽しかったので良ければ欲しいです｣
｢じゃあ欲しいのなんでも買ったるな！｣
｢そ、そこまではいいですよ･･･｣
･･･なんとなく、志麻さんがどういう人なのか理解してきたような気がする。
｢お、このゲームおもろそうやん｣
｢私そんなに体動かすの好きじゃないです･･･｣
体力ないですし、とつぶやくように付け加えると志麻さんはにやにやしながら口を開いた。
｢最近めっちゃ動いとるから体力ついとると思うよ｣
言いたい意味を理解した瞬間、ちょっとの怒りが出てきてムッとしてしまうと志麻さんはそれを見てニコニコとした。
｢こ、ここ外ですから｣
｢かわいい｣
恥ずかしくて、何も言えないし何も出来ないからとにかく気を紛れさせて口を開いた。
｢･･･し、志麻さんはどういうゲーム好きなんですか｣
｢俺ー？ゾンビゲーとか好き｣
正直、反応に困った。私はあんまりゾンビゲーというか、ホラゲーが得意じゃないのでいいですねと言って巻き込まれるのは御免だ。
｢そ、そうなんですか･･･｣
｢ホラゲー苦手？｣
何言われるかわかんなくて小さく頷くとそうなんや、と思ったよりも軽い返事が返ってきて安心した反面、なにか企んでるのかと少し怖くなった。
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作者名：s | 作成日時：2023年11月5日 15時
