名ばかりスタイリスト (ページ7)

今日:36 hit、昨日:19 hit、合計:104,331 hit

姉バカってやつかページ7

HN｢まだ会って数分しか経ってないが、スンチョル君とも直ぐに打ち解けられたし、何よりお姉さんから
沢山の愛を受けて育ってるのが君を見ていてよく
分かったよ。もちろんスタイリストとしての君も凄く必要だと思うけど、僕はそのA君の人としての
魅力に惹かれたんだ。君ならきっとここでやって行ける。｣

きっと俺は誰かからこの言葉を言われたかったん
だと思う。
今まで必要とはされてきた。ただそれは俺ではなく、俺が提供する、デザインする衣装をだ。
こうやって目の前で俺という"人"として認めてくれる存在が周りにいて面と向かってちゃんと言葉で伝えてくれるそんな社長だからこそ、
その言葉で自分の全身血が騒いだのが分かった。

｢……俺でよければ、是非、お願いします｣

そんな事言われたら断れないに決まってる。
でも、やったぁ！って喜ぶジウォンを他所に、
スタイリストとしてのAを1か月前に捨てたばかりなのにまた出来るのか…？やってもいいのか…？
もしまた失敗したら…？もしまた、裏切られたら…？
そんな終わりのない不安ばかりが俺を襲う。
でも、実際にエスクプスさんや社長に会ってみて
この人達の元でならやっていけそうな、根拠のない
自信が湧いてきたのも事実。

(Aの実力は姉であるこのジウォン様がちゃんと分かってるから！)
(後任はこの子がいいです…！この子取らないと社長絶対後悔しますよ…！！)

ふと何故か俺よりも自信満々な姉の姿を思い出して思わず顔がほころぶ。

なんでジウォンの方が自信満々なんだよ…w

…やってやろーじゃん。

やるからにはビシバシ行くぞ。
待ってろSEVENTEEN。
絶対俺が、今以上に輝かせてやる。

密かに俺は、心の中で強く決心した。