私のセカイ 2 (ページ9)

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kn side

ut「まずは1回話してみーひんとな。」「…いけるか？」

kn「おん。」

ut「ほな、行くで。」

大先生にはああ言ってもらったが、実際、未だに俺がAに会ってもいいのか不安でしかたない。
あの時気づいてやれなかった俺が、今更声をかけてもいいのか。でもあんな様子のAを放っておくこともできない。そんな葛藤をずっと繰り返している。

kn「A…」ﾎﾞｿｯ

ｺﾝｺﾝｺﾝ

ut「Aちゃ〜ん。」「入ってもええ〜？」

『…………。』

kn「おーい。大丈夫か〜？」

ut「鍵は…空いてんね。」「入るで〜？？」

『あっ……。』

部屋に入ると、ベッドの上に彼女は居た。
少し怯えてる。
周りの様子から見るに、少し暴れたらしい。

…また、見えない"何か"が現れたんやな

ut「Aちゃん、大丈夫そ？」

『大…ちゃん……。』

kn「俺もおるで。」

『コネ…ちゃん……。』

ut「せやで。」

kn「ちーっとばかし、様子を見に来たんや。」

『二人…とも……』

ut「1回、深呼吸して落ち着こか。」

kn「そのままベッドに座っとき。」「水とってくるわ。」

『ぁ……あ、ありがとう』

ut「気にしないでええんやで。」

どうやら少し安心したらしく、震えが収まってきている。
良かったわ…でも……

“やっぱり、完全には信頼されてないな”

俺等を少しうかがう様子、少し緊張感のある表情。
なにより、大先生が手を伸ばしたときに若干力が入って怯えていた
……まぁ、そうやんな。わかっとったことやけど

ﾎﾞｿｯ『…悲しいなぁ』

拒絶されることは慣れとるはずなのに
やっぱりAに拒絶させるのはどうにも辛い

…今はそんなこと言っる場合やない
早くAを安心させたらな

俺は少し急ぎ足で、でもAを驚かさないよう慎重にAと大先生の元へ戻った。