第二百三十七話 ページ37
翌朝、Aは朝食を早めに済ませると後片づけを洗濯を引き受けるからと頼み込んで秋たちに任せ、キャラバンで風丸を待っていた。昨晩はあの後、吹雪を強引にキャラバンに連れ戻し、自分もテントに戻った。それから眠りについたものの、早朝に目を覚ましてしまうほどに気持ちは落ち着いていなかった。風丸のことがずっと気に掛かっていた。
今はエイリア学園を倒すために頑張っている。恋愛ごとをチームに持ち込むのは間違いだとわかっている。皆強くなるために必死なのに、Aは自分はこんなことで悩んでいる。もちろんAにも自分の実力に関しての悩みを抱えていないわけではない。それでも他の者に比べればマネージャーという本来の身分もある分、深刻に悩んでいるわけではないのだ。
何よりAにとってサッカーとは風丸だ、別に強さの証明ではない。風丸と一緒にプレーできなければ、彼のプレーが見られなければ彼女にとってサッカーの魅力は半減する。彼が好きだからサッカーを好きになった。エイリア学園を倒すために強い力を求めはするが、本当は彼と一緒に走ることができればそれでいいと思っている。
だからこの状況から早く脱却したかった。風丸に対して嫉妬という名の怒りを感じ、仲違いをしたのは初めてのことだった。今までは風丸がAを大切に大切にしてくれていたから、彼の誠実さがはっきりと感じられていたから、何よりも彼にすべてを捧げられない自分が情けなくて仕方がなかったから彼に対して負の感情を感じたことがなかった。それは彼女が彼に負い目を感じることなく、純粋に真っ直ぐ彼を見つめられるようになったからという理由に他ならない。
「……」
風丸はここに来てくれるだろうか。早く会って彼に昨日のことを謝りたい、ちゃんと自分が何が嫌であんな態度をとってしまったのかをはっきりと伝えたい。もう彼に辛い思いをさせたくないから。
がたん、とキャラバンの扉が開く音がした。Aはハッとして顔を上げる。ぎゅっと汗ばむ手を握り締めた。彼はきょろきょろと、Aの姿を探す様にあたりを見回しながらキャラバンの中へと入ってきた。
「い、一郎太くん！」
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やすけ(プロフ) - レイさん» コメントありがとうございます！レイさんのご要望にお答えしたい気持ちはあるのですが、アレスとオリオンに関しては現在は構想がわかないのでお答え出来ません。ごめんなさい (2019年8月7日 20時) (
レス) id: 605d7b732a (このIDを非表示/違反報告)
レイ - やすけさん、もし良かったらアレスの天秤と、オリオンの刻印を書いてもらえると嬉しいです。 (2019年5月2日 12時) (レス) id: 90c5c7cfce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やすけ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/my_dreamwould
作成日時：2019年4月28日 19時
