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こういう状況を泣きっ面に蜂というのか。
追い討ちをかけるように待っていた洗濯かごが俺の上に落下し、中に入っていた衣類が俺を覆い隠す。
……ここに来た時からなんにも変わってない。
不器用だから裁縫みたいな細かいことは出来ないし、キッチンは食器を豪快に割った前科のせいで出入り禁止になったし、俺よりも優秀な人ばかりだから、俺からお嬢様に教えることなんてほとんどない。
こんな洗濯物を運ぶ作業ですら手間取って、廊下に撒き散らして。
……ダメだ。もう挫けそう。
「―――渡辺、貴方もしかしてまた転けたの？」
いつもいつもやる気が空回りする自分が情けなくて、作戦一つ目にして心にヒビが入る。
かごに覆われて暗くなった俺の視界。
そんな暗闇に光を差し込んでくれるのは、ここに来た時から変わらず、いつだっておんなじ人物で。
「……A……」
「全く、貴方のドジはいつまで経っても直らないわね。いい加減起きなさい」
「そ、そっちだって十分どんくさいでしょ！」
「あら、貴方にもやっと反抗期かしら？成長したわねぇ」
「うっっっっざぁ！！！」
聖母みたいな笑顔で頭を撫でてくるのが余計にウザさを際立たせ、俺は頭に乗せられた小さな手を払い除ける。
聖母みたいな笑顔から覗くなめ腐った顔が馬鹿みたいにムカつく。
立ち上がっただけで「 おっきできてすごいでちゅねぇ 」と拍手するAがこの上なくウザい。
人が本気でムカつくと逆に冷静になるんだと知ったのは彼女のお陰と言っても過言ではない。
ありがとう。全然感謝してないよ。
今すぐにでもAの学校に言って本性を言いふらしてやりたい気持ちをなんとか抑えながら、洗濯物を拾い集める。
こんな奴を「 A様〜！ 」なんて呼んで慕う人はみんな彼女の被る【 お嬢様 】に騙されてるんだ。
本性これだよ？ムカつくことしかないんだけど俺。
「待ちなさい、渡辺」
「っなんですか！！」
これ以上一緒に居ても弄られるだけだと判断し、早急にその場から離れようとAの横をすり抜ける。
するとなんの嫌がらせか、俺はすぐにお嬢様に呼び止められた。
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白菜(プロフ) - あるてぃめっとさん» コメントありがとうございます！この作品のcssは自作ですね。フォントは『ほのか丸ゴシック』を使用させて頂いてます。参考にしていただければ幸いです！ (2021年3月30日 17時) (
レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
あるてぃめっと - こちらの作品でははじめまして（といっても覚えてないと思いますが…）今回も素敵な文章をありがとうございます。それともう1つ素敵なcssだなと思い…自作でしょうか？紹介がないので…もしよろしければ、使っているフォントを教えていただけないでしょうか？ (2021年3月30日 16時) (レス) id: 037db07d8a (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - Rukaさん» 私も書きながら「この関係性が尊いと思える感じにしたい」と思ってるので、そう言っていただけると嬉しいです！お嬢があんな子だからきっとこんな関係性が出来たんでしょうね。これからも彼らをほほえましい気持ちで見ていただけたら嬉しいです(笑) (2021年3月29日 22時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - SALTさん» コメントありがとうございます！普段は文章詰め詰め野郎なので、今回の話は確かに読みやすいかもしれません(笑)応援ありがとうございます！ほんとにマイペースですが、これからもちょこちょこ更新していけれたらなと思います！ (2021年3月29日 22時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
Ruka(プロフ) - なんというか、お互い憎まれ口を叩きながらもお互いに好いているような関係が本当に好きです。お嬢はいつもこんなに暖かい空間にいるんだと思うと、なんだか微笑ましくなってしまいました笑 (2021年3月29日 16時) (レス) id: 323f90024b (このIDを非表示/違反報告)
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