秘めた執事と病弱お嬢様《黒》*

# 探偵になった気分 ページ17

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部屋の扉がガチャリと開く。




別に見られたわけじゃないのに、

日記のことで心臓がドキドキした。








目黒「 ただいま帰りました。
体調は大丈夫でしたか？」


『 うん、大丈夫。…ありがとう。』








出て行った時と

何も変わりなく帰って来た目黒は、




そのまま私のおでこをそっと触る。








目黒「 熱、少し下がって来ましたね。」


『 ほんと？』


目黒「 でも、蛍はまだ禁止ですよ。」


『 もう、分かってるよ。』








それだけ言うと

ご飯の支度をして来るからと、




また部屋を出て行った目黒。








その後ろ姿に

さっき見た日記のことを思い出す。








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どんなに思い返してみても




やっぱり私、

目黒のこと全然知らないんだ。








どんな風に育って来て

どんな理由で私の執事になったのか。








目黒がいくつなのか

どこに住んでいたのか、




本当に本当に何も知らない。








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あの日記帳は

そんな目黒の唯一のヒントな気がした。




勝手に読むのは

良くないことだって分かってる。








…でも気になるんだもん。




目黒が見た夢のことも、

目黒が日々私に抱いてくれてる気持ちも。








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部屋の外がシンと静まり返って

目黒が近くにいないことを確認する。




そしてそのままベッドを降りて

さっきの日記のページを探した。








ありふれた何もない毎日で

ちょっと探偵になった気分、なんて




まだ少し楽しんでる自分がいた。








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…真実を知るまでは。

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