秘めた執事と病弱お嬢様《黒》*

# はじめて眠る部屋 ページ10

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目が覚めると窓の外は明るくて、

あのまま寝ちゃったんだと思った。








と同時に、

そこが自室じゃないことに気付く。








ほとんど入ったことのないこの部屋は

多分、前の執事も使ってた部屋。




…つまり、目黒の部屋だ。








そう思いながら

身体を少し起こそうと思ったら、




ベッドの脇で腕枕して

眠ってる目黒の姿が見えた。








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するとそのままゆっくりと

その顔が上がる。








目黒「 …おはようございます。」


『 おはよう、目黒。』


目黒「 気分はいかがですか？」


『 昨日よりずっと楽。…ありがとう。』


目黒「 それは良かったです。」








目黒によると

結局昨日薬も飲まず寝ちゃったんだって。




夜中に急変でもしたら大変だから

ここで看ててくれたみたい。







…本当にずっとそばにいてくれたんだって、

そう思うと嬉しかった。








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目黒「 しばらくは外出禁止ですよ？」


『 はーい。』


目黒「 素直で珍しいですね。」


『 …私だってちゃんと反省するよ、』








そのあと目黒には

当たり前にそう言われたけど、




さすがに迷惑かけちゃったから。








夏祭りも終わったし

しばらくは大人しくしておく。








…もうすぐホタルは見れなくなるけど

まあ、仕方ないよね。








目黒「 偉いですよ、A様。」


『 ちょっ…、』








その時、不意打ちで撫でられた頭。




急に恥ずかしくなって

顔が一気に熱くなる。








『 お風呂入ってないのに… 汚いよ、』


目黒「 汚くないですよ。
…あ、食事の用意して来ますね。」








けどそんな私の気持ちも気づかず

目黒はあっさりと部屋を出て行く。




撫でられた頭の感覚だけが

私の胸をギュッと締め付けた。








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今いるのは目黒の部屋。




普段絶対入れないから

気になってキョロキョロしてみる。








大した物も置いていないし、



ベッドと机だけが並べられた

シンプルなお部屋。








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そんな机の上に一冊、




何か分厚い本のような物を見つけた。

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