60話 ページ10
あれから約1ヶ月
何度か魔法を教えてほしいと懇願されることがあったが全て断り続けた
そもそも私とこの世界の人間は使う魔法の基礎から違う。その基礎を覚えるだけでも2,3ヶ月を要するので意味が無い そこまで待ってくれるとは思わないしね
「ワースがゾルトラークを完璧に使えるのも2ヶ月くらいかかったからねぇ」
「本当に誰にも魔法教えないとは思わなかった」
目の前で私と同じように紅茶を飲んでいたワースが少し呆れたように、でもどこか嬉しそうな顔で私を見る
「前にも言ったけど、弟子はワースだけで充分。私は容量が悪いから一度に多くの弟子をとると誰に何を教えたのか分からなくなってしまうからね
それに、比べる対象が居ると挫折する子も多くいるそれを見るのが嫌だから取らないんだよ」
「……思ったより考えてるんだな」
「これくらいの時間を生きていれば見んな1度は思考することだと思うよ」
「普通は生きてないんだよ」
1口分の紅茶を飲み干しさて……と懐からとあるものを取り出す
「ワースにこれあげる」
机に置いた2種類を眉をひそめて眺めるワースに説明するためまずは右側の 小瓶に入ったものを持ち上げる
「ゴーレムだ。瓶を割れば巨大化して君を安全な場所まで連れてってくれる。窮地に追いやられた時だけ使用しなさい
1度使用すると勝手に砂になって消えるからちゃんと考えて使用すること
そしてコッチが…」
ドォォォォン!!!!!!
地響きのような低い音が響き渡り会話が1度止まる
窓の外を確認すれば人の何倍もある巨体が徘徊しているのが見え「来たか…」と呟く
「ごめんワース手短に話す
この腕輪は肌身離さず持っておきなさい。君の体が潰れてもバラバラにされても生かすための魔法をかけている
体一部さえ残っていれば私が来れば元通りにするから
じゃあ行ってくるよ」
とんでも発言に思考が止まってしまったワースだったが数秒後後に我に返ったのか出ていこうとした私の肩を強く引っ張る
「ちょっおまっ…はぁ!!?」
「え?何」
「イカレ魔法道具寄越すな!!」
「酷い言われ様
ここから先は生きるか死ぬかの狭間なんだ。安全な場所に篭ってると思ってないからせめてもの救いで渡してる
君の傍にずっと居られないから」
複雑な顔をするワースの両頬に手を添えグイッと引く
「これは私のワガママだ
まだ可能性を秘めている弟子をこんなところで亡くしてたまるか」
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ぱちょ - 初コメ失礼します!誤字があったので指摘させていただきます。仲良しトリオ1の似ているが煮ているになっています…!このままだとカルパッチョと夢主が煮込まれてます…!w (5月4日 1時) (レス) @page31 id: b2625e26c6 (このIDを非表示/違反報告)
青空餅名無し6306号(プロフ) - 補足?にあった大昔女神として存在していたエルフのことですね、すいません私も紛らわしい言い方をしてしまって (4月24日 18時) (レス) id: e874f646c6 (このIDを非表示/違反報告)
水菜目(プロフ) - 青空餅名無し6306号さん» コメントありがとうございます。申し訳ないのですが堕ちる前とは何話くらいをさしてるのか教えて頂くことは出来ますか…?理解力なくてすみません:( ;´꒳`;) (4月24日 18時) (レス) id: 7e8af51d67 (このIDを非表示/違反報告)
青空餅名無し6306号(プロフ) - ヴァンデラーが堕ちる前?に戻ってみんなに会ってみたってできますか? (4月14日 0時) (レス) id: e874f646c6 (このIDを非表示/違反報告)
ショウ(プロフ) - こちらの作品とってもどハマりして一気に見切っちゃいました!個人的にはマドル兄弟との絡みが見たいです。 (4月9日 2時) (レス) @page22 id: 9ce086bdea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水菜目 | 作成日時:2024年3月22日 2時