道はどこまでも続く 2

59話 ページ9

｢1週間か。よく寝てたね｣

｢お前が眠った後に無邪気な淵源が大きな動きを見せた
恐らくコレが最後の戦いになるだろうな｣


カルパッチョから貰った果物を食べながら私が眠った後の話を聞き今後のことを考える


｢それで数人が修行に出てると｣

｢あぁ
既にマッシュ、ドット、ランス、フィンは各々神覚者やそれに匹敵する人物と修行を開始した｣


この戦いの中心人物とその友人たちか
私もなにかするべきかと考えたがやったところで感があるしなぁ…


｢私はいつも通りかな
ワースに魔法を教えていくだけだよ｣

｢…いいのかよ
お前の弟子になりたがってるやつなんて五万と｣

｢私の弟子はワースだけで充分だよ｣

｢……｣


突然ワースが静かになり顔を上げる
どうやらカルパッチョも彼のことをじっと見つめていて私もそれにならうと彼の顔がみるみる赤く染まっていく


｢もしかして喜んでる？｣

｢うるせぇみんな!!｣

｢耳まで真っ赤｣

｢見んな!!｣


照れた彼に手で顔を覆われ何も見えなくなる
……というか片手で顔を覆い隠されるとは思わなかった手大きいな


｢カルパッチョ、見てすごくない？｣

｢凄いね。頑張ったら顔潰せるんじゃない？｣

｢待って想像が怖い｣


顔からワースの手を離しヨイショ…と立ち上がる


｢まぁ、イノセント ゼロが来るなら準備しているに越したことはない
相手は魔族を引き連れてくるだろうしね。私は街全体に防御結界を貼っておこうかな｣

｢病み上がりなのによく働くね｣

｢人に教えないからこれくらいはやっておかないとね｣


地上に戻る扉を開けてもらい久しぶりの外の空気
振り返ると数段下で私を見あげる2人がいて頭をワシャワシャと撫でた


｢看病ありがとう
今日はゆっくり寝るんだよ｣


2人共隈が酷い 私のこと大好きじゃん
そう言って笑っていればワースが小さな声で


｢……師匠の心配しちゃ悪いかよ｣


呟いたので数分前と同様カルパッチョと目を合わせる


｢今日はよくデレると思わない？｣

｢思う。そんな表情できたんだね｣

｢ヤダ私の弟子可愛い｣



｢よーし、お前らそこに立ってろ泥沼に沈めてやる｣

60話→←58話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す