58話 ページ8
突然
背後から聞こえた声に男は大きく肩を揺らし、勢いよく振り返った
そこには多くの果物を籠に入れ歩み寄ってきた一人の男
「カルパッチョ ローヤンか
何度かここに来ているのは知っていたが、出くわすのは初めてか?」
「そうだね
君は授業以外は殆どここに居るでしょ」
「そこまでつききっりじゃねぇよ
……でもまぁ、完全否定は出来ねぇな」
顔を上げた先には彼がココに持ってきた本が十数冊積み重ねてある
授業や食事、睡眠などは学校内に戻るものの それ以外は基本的にここに居る。全ては目覚めた時彼女が1人で居ないように
「というかお前のその持ってる果物なんなんだよ」
「マーガレットのお見舞いの品
起きた時にお腹すいてるだろうからって」
「起きてもねぇのに日持ちしないやつよこすか?普通」
「美味しいよ?」
「知ってるわ」
カゴから取り出されたリンゴをカルパッチョから受け取り大きくかぶりつく
果物を食べながら未だ眠り続ける一人の女を見る男2人という変質者に間違われそうな構図だが残念なことにそれをツッコンでくれる人は此処にいない
「なぁ、このままもしコイツが起きなかったら」
「起きるよ」
断言したカルパッチョに男は目を見開く
何を根拠に言っているのか理解ができないが確信しているようにもう一度
「ちゃんと起きるよ。」
「…………そうか」
「ヴァンデラーに聞きたいこと沢山あるからね
起きてもらわないとボクが困る」
「っ ハハッそういうことかよ
なら俺はコイツに説教でもするかね
いくらなんでも寝すぎだってな」
「________私、そんなに寝てたの?」
「「は」」
2人の視線が下に向く
色を失った、白く透き通る瞳が男と交わる
「おはよう
何この光景、面白いね」
「〜っ!」
「あ、起きたんだ
おはよう」
「呑気かお前は!!」
「朝から元気だね」
「もう夕方だよ」
「そうなの?」
ポンポンと進む会話に頭痛さえ覚える
生きてる、動いてる、置いていかれなかった
不安が消え安心で心が満たされる。言いたいことは沢山あった怒りたい気持ちもあるだけどまず 彼女が起きた時に最初に言いたい言葉がある
瞳に溜まる涙を無視して、震える声のまま
「おはよう
いい夢は見れたかよ ババア」
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ぱちょ - 初コメ失礼します!誤字があったので指摘させていただきます。仲良しトリオ1の似ているが煮ているになっています…!このままだとカルパッチョと夢主が煮込まれてます…!w (5月4日 1時) (レス) @page31 id: b2625e26c6 (このIDを非表示/違反報告)
青空餅名無し6306号(プロフ) - 補足?にあった大昔女神として存在していたエルフのことですね、すいません私も紛らわしい言い方をしてしまって (4月24日 18時) (レス) id: e874f646c6 (このIDを非表示/違反報告)
水菜目(プロフ) - 青空餅名無し6306号さん» コメントありがとうございます。申し訳ないのですが堕ちる前とは何話くらいをさしてるのか教えて頂くことは出来ますか…?理解力なくてすみません:( ;´꒳`;) (4月24日 18時) (レス) id: 7e8af51d67 (このIDを非表示/違反報告)
青空餅名無し6306号(プロフ) - ヴァンデラーが堕ちる前?に戻ってみんなに会ってみたってできますか? (4月14日 0時) (レス) id: e874f646c6 (このIDを非表示/違反報告)
ショウ(プロフ) - こちらの作品とってもどハマりして一気に見切っちゃいました!個人的にはマドル兄弟との絡みが見たいです。 (4月9日 2時) (レス) @page22 id: 9ce086bdea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水菜目 | 作成日時:2024年3月22日 2時