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56話 ページ6

甘い匂いが鼻を掠めて目を開けた
目の前を横切った蝶が魔法で作られた花畑に止まり蜜を吸い上げている様をじっと見つめていると膨大な魔力を感じて振り返る
最初はボヤけていたシルエットも近づいてきているのかだんだんハッキリしてきて___


「随分と眠っているな ヴァンデラー」

「ゼーリエ…」


戻ってきたのか?
そう思い自分の顔をペタペタ触りもう一度ゼーリエを見ると不思議そうに首を傾げている


「どうした」

「……なんでもない少し夢見が悪くてね」

「お前でも悪夢なんて見るんだな」

「流石に夢までは操れないよ
私は神じゃないからね」


私の言葉にゼーリエは鼻を鳴らし花の傍に座り花弁を撫でる


「神じゃない。か
女神になることを辞めたお前がそれを言うのは少し面白いがまぁいい それで?

旅はもうやめるのか?
人間に手を貸すなんてお前も大人になったな」


彼女の質問に言葉を詰まらせる
ただ世界を見続けてきた私にとって旅は新しいものの発見と死ぬまでの暇つぶし。辞めたくてもやめれないものだった
なのに何故 辞めない と彼女に言えないんだろう


「そう、だね私はソッチでも魔族は殺していたけれど人間を助けることなんてしなかった
私はどちらもあまり好きではなかったからね……
ここに来て少し考えが変わってきているということかな」

「……私はお前の選択に肯定も否定もしない。
それが間違っていたとしてもやり直せるだけの時間はあるしな
随分その世界を気に入ったみたいだな」

「……本当ゼーリエには敵わないな
''夢の中''くらい私に優しくしてよ」

「バカを言え、私は何時でもお前に甘い
気持ちを固めたんなら早く行け


あぁ、あともう500年くらいなら待ってやる」


フハッと思わず笑いがこぼれる
相変わらず素直になれない子だ


「またねゼーリエ」

「あぁ またな」

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ぱちょ - 初コメ失礼します!誤字があったので指摘させていただきます。仲良しトリオ1の似ているが煮ているになっています…!このままだとカルパッチョと夢主が煮込まれてます…!w (5月4日 1時) (レス) @page31 id: b2625e26c6 (このIDを非表示/違反報告)
青空餅名無し6306号(プロフ) - 補足?にあった大昔女神として存在していたエルフのことですね、すいません私も紛らわしい言い方をしてしまって (4月24日 18時) (レス) id: e874f646c6 (このIDを非表示/違反報告)
水菜目(プロフ) - 青空餅名無し6306号さん» コメントありがとうございます。申し訳ないのですが堕ちる前とは何話くらいをさしてるのか教えて頂くことは出来ますか…?理解力なくてすみません:( ;´꒳`;) (4月24日 18時) (レス) id: 7e8af51d67 (このIDを非表示/違反報告)
青空餅名無し6306号(プロフ) - ヴァンデラーが堕ちる前?に戻ってみんなに会ってみたってできますか? (4月14日 0時) (レス) id: e874f646c6 (このIDを非表示/違反報告)
ショウ(プロフ) - こちらの作品とってもどハマりして一気に見切っちゃいました!個人的にはマドル兄弟との絡みが見たいです。 (4月9日 2時) (レス) @page22 id: 9ce086bdea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水菜目 | 作成日時:2024年3月22日 2時

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