道はどこまでも続く 2

ツララとの絡み その1 ページ25

とある冬の日、買い物がてら町に出た時だった
人だかりができていてなんだ？と思いつつも無視して横切ろうと歩いていると誰かが私の服を掴んだ


｢ん？｣

｢た、助けて…寒い…｣


ガクガクと体を揺らし今にも凍り付きそう
……なんなら彼女の握った私のローブがゆっくりと凍ってきてる


｢……とりあえず｣

｢!｣


彼女の頬に触れて''体を温める魔法''を使う
驚いて固まっていた彼女も数秒すれば顔を綻ばせ｢暖かい｣と目を閉じ私の手に顔を擦り寄せる


｢温まった？なら私行くよ｣


彼女の頬から手を離し買い物に戻ろうと再び歩き出そうとすれば再びローブを引かれもう一度振り返る


｢寒い……手握ってて……さっきの魔法もう一回｣

｢……私についてくるなら｣


彼女と手を繋ぎ自分は目当ての商品を探して街を歩く
背格好が似ているせいか兄弟に間違われることもしばしばあるが特別問題がある訳でもなく買い物を進めていく

隣にいる彼女を横目で見れば震えば収まり緩んだ表情のまま周りをキョロキョロと見回している


｢気になるのあった？｣

｢へ…？や…………うん。｣

｢そ じゃあ言ってみようか。どこ？｣

｢あっち｣


彼女の指さした方に向かえば防寒具が売ってあるお店で引っ張られるように彼女は品を見ていく


｢モコモコ……ふへへ。暖かい……｣

｢ツララは冷え性なんだっけ｣

｢そう 冷え性治すために研究してたら冷気に関する魔法が扱えるようになっちゃった｣

｢難儀な身体だね｣

｢ねぇ 体を温める魔法しらない？
今は暖かいけどヴァンデラーと手を離すとまた寒くなるのは嫌……｣


魔法を教えるのは弟子だけ。そう決めていたけれど
ずっと冷え性を治すために努力してきた彼女を救ってあげたいと思った
……まぁ、1つ教えるくらいならいいか


｢分かった。体を温める魔法教えるよ｣

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