道はどこまでも続く 2

シャルルとの絡み その2 ページ24

｢なんだ｣

｢家族、ましてや親の存在なんて遠い昔の記憶で私もあんまり覚えてはいないけど
私も好きだったよ。母親のこと

君の感情は間違ってない。………………と思う｣

｢!｣


ハッキリとした物言いは出来なかった
でも。これで少しでも彼の気持ちが軽くなれば

そう思ったのだが……


不意に体が持ち上げられ宙に浮く、抱きしめられる感覚に困惑していれば


｢初めてだ…今まで僕のハジメテは全部ママから貰ったものばかりだったのに!
君はそんな僕に初めてをくれたんだな!!｣

｢????なんの話しを｣

｢君は第2の僕のママだ!｣

｢違います｣









｢……で？何がそうなってこの状態になったんだ｣

｢私が聞きたい｣


とある部屋に呼ばれたドミナは目の前の光景に頭痛を覚えた
テーブルを囲んで座るシャルルとヴァンデラー
そのテーブルにはケーキや紅茶などが揃えられておりそのケーキをシャルルにあーんして食べさせているという謎の構図

あーんさせ喜々としてケーキを咀嚼するシャルルを真顔で見つめるヴァンデラーに｢餌付けか｣と思わずツッコミを入れた


｢遅かったなドミナ｣

｢この光景を見るならもう少し遅く来ても良かったなと思うよ｣

｢僕とお母さんの時間に水をささないとはいい心がけだな｣

｢は？お母さん??｣

｢誤解です｣


ドミナにこれまでの話をすれば呆れたように息を吐き


｢お前が悪い｣

｢私悪い要素なくない？｣


彼の(人からしたら長い)電話を待って落ち込んでた彼を慰めただけなのに
何がいけなかったのか思考しているとドミナが説明してくれた


｢コイツの全ては母親で、常識の全てを母親で構築されている
普通の人間は気持ちが悪いと思うものだ

なのにお前はその考えを否定せずよりにもよって肯定
分かりやすくいうなら、自分の信仰していた神を受け入れてくれた新たな存在(女神)ってことだ｣

｢なるほど。彼の目を覚ます方法はないのかな｣

｢知らんボクに聞くな｣

｢薄情者｣


じゃあ、イーストンに帰ろうかと立ち上がったところでシャルルが私のローブを引く


｢帰るのか？｣

｢そうだね、ドミナを見つけたし
彼を連れて帰るよ｣


そういうと分かりやすく表情を暗くさせるシャルルに思わず私の手が伸び彼のサラサラな髪を撫でた


｢また会えるか分からないけど
元気でね｣

｢!あぁ、お母さんも体には気をつけて｣

｢お母さんじゃないです｣

(そういうことするから…)


痛みが増す頭痛から逃げるようにドミナは強く目を閉じた

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