道はどこまでも続く 2

64話 ページ14

めそめそ泣き続けるレモンをカルドに渡し抑えてもらうと背中に刺さっていたぜんまいを引き抜き深く深呼吸する


｢成功しますように…｣


マッシュの心臓部分に手を置く
ズプッ…とそのまま手がマッシュの体の中へと入るのをカルドはレモンの目を押えたままガン見していた(なんなら開眼した)


｢その魔法は…｣

｢古代でも禁書とされる魔法だよ
死者を甦らせると色々なリスクを伴うからね、私も1度試したけど失敗したから使うのは1000年振りじゃないかな｣

｢古代魔法…えっ、怖い言葉聞こえた｣


想像できたとしても作り出すことは難しいし似たようなものであれば奪う方が何倍も楽だ
彼の心臓に直接触れ潰さないよう注意しながら手で包み込むとゆっくり魔力を送っていく
小さく生命活動を続けていた心臓はゆっくりと、でも確実に鼓動は大きくなっていく

焦るな。大丈夫。このままこの量で魔力を送り込め

頬に汗が伝う、失敗が許されないというプレッシャーと普段は決して行わない精密さを求められる魔法


｢私こういうの得意じゃないんだよなぁ……｣

｢全然エ ロくなかった…すみません｣

｢すみません!!!!!!!!｣


土下座をしている2人を横目に心臓から手を離し手を抜き取る
入れた時と同じようなニチャリと嫌な音がして手が離れるとマッシュは息を吹き返したように咳き込んだ


｢ゴホッゴホッ…ｹﾞﾎｯ
シュークリームに圧死させられる……お？｣

｢おはよう
体は大丈夫？なんともない？｣

｢絶好調 むしろ軽い気さえしますね｣


グッと親指をあげるマッシュを見ていつも通りそうだなと安心すると立ち上がった彼の足元に手を置いた


｢息を吹き返してすぐで申し訳ないけど戦況は悪くなってる
マッシュ行けるね？｣

｢うん
ぶっ潰すしかないでしょ｣

｢私も直ぐに向かう。彼らを助けてあげて｣


転移魔法でマッシュをライオ達の方に送り込み深く息をする
まだ終わりそうにない戦い。先も難所 難所の険しい道か


｢消えるには絶好のタイミング
…だけどもう少し手助けが必要かな｣




''彼らの''より良い未来に向かうために

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