道はどこまでも続く (ページ10)

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10話ページ10

『今シーズン初めての試合はアドラ寮対レアン寮
さっそく白熱しております!!!!!!』

この世界では人気なドゥエロという競技
箒で空を飛びボールを輪の中に入れるというなんとも簡単なものだが普通の人間には出来ないモノでもある
そんな競技にマッシュが出ると聞いて見に来たが

｢まぁ、飛べないよね｣

彼は1人箒にまたがったまま地面に立ち尽くしていた
そんなマッシュにヤジが飛ぶのは火を見るよりも明らか。
ゴミや瓶と様々なものが投げつけられる中私は手伝おうかとマッシュの方に手を伸ばしたがそんなことをするよりも早く彼は突然飛んだ

そう。言葉通り''飛んだ''

ものすごく足をばたつかせているけど＿＿＿＿

｢……ふ、アハハｯ
力で解決する魔法なんて初めて見たよw
やっぱりこの世界の魔法は面白いね｣

(((えぇー？アレ魔法枠でいいんですかぁ????)))

驚きの身体能力により勝利を収めたアドラ寮
周りが歓声に包まれる中マッシュは私に気づくと親指をあげてドヤっと顔を向けた

｢ヴァン!｣

試合が終わり各々が寮や図書館へとはけていくなかマッシュは私を見つけて誰かと近づいてきた

｢お疲れ様マッシュ｣

｢ありがとう｣

少し下げられた頭を優しく撫でればお返しとばかりに抱き締め返され男の子が私とマッシュを交互に見て驚く

｢えっ!?まさかマッシュ君の彼じょ｢違うよ｣｣

｢僕の大事な人｣

(うーん？それは彼女じゃないけど彼女みたいなものってことー？んー？)

｢マッシュの家に少し前から住まわせてもらってるの
彼は身近な人間を大事にする子だから言葉は間違ってないのだけど……少し勘違いするわよね｣

フィンと名乗った彼に説明すると誤解が解けたのか｢なるほど｣と頷いてくれた

｢なんで寮違うの……｣

不服そうなマッシュの発言にフィンもハッとしたのか

｢言われてみればヴァンデラーさんはオルカ寮服ですね｣

｢まぁ、この学校に来たのはあらゆる魔法を知るためでもあるから
その感性が研究心なんかと当てはまったんだろうね
……あ、もうそろそろ予定の時間になるから私はこれで。マッシュの元気な姿が見れてよかった、またね｣

手を振ると2人で返してくれてフードの下で笑いながら学校内へと戻ろうとしたところで誰かに呼び止められた

｢コイン狩りですか？毎度毎度飽きないのね｣