道はどこまでも続く (ページ9)

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9話ページ9

ﾄﾞｺﾞｯ!!!!!!!!

とてつもない破裂音とともに学校の一角が大きく破壊される
昼休みということもあり多くの生徒が興味と怖いもの見たさに集まる中彼らは異様な光景に口を開いたまま固まった

｢アイツ箒もなしに空飛んでるぞ……｣

｢これ本当に1年どうしの戦いか?｣

｢てかあの膝ついてるやつって…内部進学一位のカルパッチョローヤンじゃないか!?｣

｢そんなやつ倒してるあのフード野郎なんなんだよ!｣

壊れた廊下に戻り膝をついたまま困惑している男の目の前まで歩み寄ると彼も顔を上げて目が合った。何が起きているのか理解できないのだろう、瞳は困惑と怒りで染っている

｢少し古い魔法を使っただけだよ
自分と共感する魔法

君は私に腹部と左腕に2箇所、右足に3、左に1
幾度となく刺したソレは共感によって痛みは感じずとも立ってられる程のものじゃなかったらしいね｣

｢なんでお前は立ってられる……？｣

｢……秘密｣

｢ちょっと騒がしいわよ
ってアラ｣

人の並を分けて前に出てきたのは私達の寮を束ねている3年のマーガレットマカロン
彼も私たちの姿を見て目を丸くしたあとニコリと笑い

｢今年の1年生は元気ね
でも廊下を壊したのは許しておけないわ。私闘は終わり
2人とも怪我の手当をしたら私の部屋にいらっしゃい｣

寮長の言葉にゆっくりだが人が去っていく
私も今度こそ医務室に向かおうと気絶したままの彼を魔法で持ち上げると服を引っ張られた

｢魔法解いて。歩けない｣

｢申し訳ありませんでした｣

｢いいのよ、元気な証拠だもの。これくらいで怒ったりしないわ｣

医務室で怪我を治したあと寮長に言われた通り彼の部屋に向かい謝れば簡単に許してもらえ割と拍子抜けしてしまった
破壊した場所を直そうと寄ってみたが既に元通りになっていて彼が直してくれたのだろう

｢それにしても貴方強いのね
あのカルパッチョを圧倒するなんて｣

｢相性が良かっただけですよ
私にも不向きはありますし｣

｢ふぅん……？まぁいいわ今回はそういうことにしておくから
今回は不問だけれど何度も問題は起こさないように。いいわね？｣

｢はい。失礼します｣

最後に彼に会釈をして部屋を出る
空は既にオレンジに染っていて、ぼぅっと窓から外を眺めていれば突然窓に誰かが張り付いた

｢やっと見つけた
ヴァン、魔法が使えなくても空飛ぶ方法教えて｣